トップ
>
審
>
いぶ
ふりがな文庫
“
審
(
いぶ
)” の例文
なにとぞそこよりお落ちあそばしませ! ただし
御跡
(
おんあと
)
に残りとどまって戦う兵なくば、敵
審
(
いぶ
)
かしみ、
御後
(
おんあと
)
追いかけ申すべし。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
實
(
じつ
)
に
前後
(
ぜんご
)
の
形勢
(
けいせい
)
と、かの七
隻
(
せき
)
の
船
(
ふね
)
の
有樣
(
ありさま
)
とで
見
(
み
)
ると、
今
(
いま
)
や
海蛇丸
(
かいだまる
)
は
明
(
あきらか
)
に
何事
(
なにごと
)
をか
我
(
わが
)
軍艦
(
ぐんかん
)
に
向
(
むか
)
つて
信號
(
しんがう
)
を
試
(
こゝろ
)
みる
積
(
つもり
)
だらう。けれど
私
(
わたくし
)
は
審
(
いぶ
)
かつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「それで」伸子は多少夫の様子を
審
(
いぶ
)
かりながら云った。「その罠にかかる人がつまり不幸と云う訳なんですわね」
罠に掛った人
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
その人は黒い烏帽子を前かがみに、私たちの前に、やや斜めに
跪
(
ひざまず
)
いて、
審
(
いぶ
)
かしげに、また親しそうに
此方
(
こちら
)
を見た。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
蝦蟇法師はためつすがめつ、さも
審
(
いぶ
)
かしげに鼻を傾けお通が
為
(
な
)
せる
業
(
わざ
)
を
視
(
なが
)
めたるが、おかしげなる声を発し、「それは」と美人の手にしたる鏡を指して尋ねたり。
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ふじは眠っていたらしい、彼が側へ寄ると眼をさまし、
審
(
いぶ
)
かしそうにまばたきをした。
醜聞
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と、そういう娘のようすが、公卿にはいよいよ
審
(
いぶ
)
かしくも、疑わしくも思われたらしい、胸と胸とが合わさるばかりに、近々と娘へ近づいたが
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『あら、
海軍
(
かいぐん
)
の
叔父
(
おぢ
)
さんは、あの
岩
(
いわ
)
の
後
(
うしろ
)
へ
隱
(
かく
)
れておしまいになつてよ。』と、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
審
(
いぶ
)
かし
氣
(
げ
)
に
私
(
わたくし
)
を
瞻
(
なが
)
めた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
これは
審
(
いぶ
)
かしいと存じまして、後をつけ様子を見ましたところ、何んとその中に紀州の藩士、ご存知の加藤源兵衛や、霜降小平などがおりましてござる。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
響
(
ひゞき
)
は
遙
(
はる
)
かの
海上
(
かいじやう
)
に
當
(
あた
)
つて、
極
(
きは
)
めて
微
(
かす
)
かに——
實
(
じつ
)
に
審
(
いぶ
)
かしきまで
微
(
かすか
)
ではあるが、たしかに
砲
(
ほう
)
又
(
また
)
は
爆裂
(
ばくれつ
)
發火
(
はつくは
)
信號
(
しんがう
)
の
響
(
ひゞき
)
※
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
二、三度武者之助の手下らしい人相の悪い男達が、垣の外から家の中を、
審
(
いぶ
)
かしそうに
窺
(
うかが
)
ったが武者之助の合図がないからか、そのつどコソコソと隠れ去った。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
武兵衛の姿を見ると
審
(
いぶ
)
かしそうな顔付きをして物問いたげに修験者の方へ
鷲
(
わし
)
のような眼をツト走らせた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「そうさな」と意次も
審
(
いぶ
)
かしそうに、「宴の席には姿なかった。……誰だろう、わしには解らぬ」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
弾正太夫は
審
(
いぶ
)
かしそうに、オースチン師の顔を見た。その眉は
幽
(
かす
)
かに
顰
(
ひそ
)
んでみえる。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「不覚を取ると知りながら、尚その方参ると云うか」
審
(
いぶ
)
かしそうに頼正は訊く。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その素振りに鷲っ鼻の武士は、何やら
審
(
いぶ
)
かしさを感じたらしかった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
熊はいかにも
審
(
いぶ
)
かしそうに、少し離れた小丘の上から、主人たちの方を見詰めてい、五尺以上もある
白猩々
(
しろしょうじょう
)
は、人間と変らぬ
老獪
(
ろうかい
)
さで、桂子や浮藻に可愛がられていたが、栗の木の
叉
(
また
)
に駈け上がり
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
審
(
いぶ
)
かしそうに眼を見張って、お浦は上様の人形を見詰めた。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ここで梶子は民弥の顔を、
審
(
いぶ
)
かしそうにジロリと見た。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
審
(
いぶ
)
かる家人を尻目に掛け、葉之助は宿を出た。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
見て
審
(
いぶ
)
かしそうに云ったものである。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と太郎丸、
審
(
いぶ
)
かしそうに打ち案じた。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
審
(
いぶ
)
かしそうに忠清は訊いた……。
赤格子九郎右衛門
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
審
常用漢字
中学
部首:⼧
15画
“審”を含む語句
不審
審判官
審判
審判者
審問
審配
御不審
不審気
不審氣
不審牢
審美的
不審紙
審議
審判人
不審顔
予審判事
審美眼
審言
審食其
陪審官等
...