寄合よりあひ)” の例文
さだめて、十羅刹女らせつぢよ寄合よりあひてうぶみづ生湯うぶゆ)をなでやしなひたまふらん。あらめでたや、あらめでたや。御悦び推量申候
「俵屋の主人は、跡取りのことを、ひどく氣にしてゐるやうだから、明日の親類方の寄合よりあひの前に、またどんなことが起らないとも限らない、しつかり見張つてくれ」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
そんなてあひ寄合よりあひだけに、芝居の蓋をあけようといふ者にとつて、役納めほど骨の折れるものは少くない。
下りて屏風びやうぶのうちへ入置いれおき平左衞門は入牢じゆらう申渡されしが主税之助儀は交代かうたい寄合よりあひ生駒大内藏へ御預けとさだまりたり此生駒家の先祖せんぞ讃州さんしう丸龜まるがめ城主じやうしゆにして高十八萬石を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この連中れんちゆうは雑多な人間の寄合よりあひで純粋の興行師は案外にすくなく、やむを得ずこの仲間に身を寄せて居るものの、なにがな一芸を修めて日本へ帰りたいと心掛けて居る者が多いさうである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
革緒かわを雪駄せつたおとのみはすれど、馬鹿ばかばやしの中間なかまにはらざりき、夜宮よみやことなくぎて今日けふにちゆふぐれ、ふでやがみせ寄合よりあひしは十二にん、一にんかけたる美登利みどり夕化粧ゆふげしやうながさに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
直ぐ来て呉れねばどんなことになるも知れぬと云ふのだからよんどころない——実に梅、悪い奴共の寄合よりあひだ、警視庁へ掛合つて社会党の奴等やつら片端から牢へでもブチ込まんぢや安心がならない
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
日は永し巡礼講の寄合よりあひおうな念仏ねぶつ山ざくら花
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
茶、かう、十しゆ寄合よりあひ
極め成ほど御客おきやくさまの云るゝ通り實は酒も肴も御座れ共是は今申通り今晩こんばんむら寄合よりあひ使つかふ仕込のさかな夫ゆゑ御斷り申せしなり此上は何卒なにとぞ御免ごめん下さるべしと詫入わびいるを武士は一向聞入ずおのれ又僞りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
寛永八年二月二日町奉行島田彈正忠殿だんじやうのちうどのたくへ老中方其外役々寄合よりあひ公事沙汰くじさたありしが始めにて其後酒井さかゐ雅樂頭うたのかみ酒井讃岐守さぬきのかみ殿并に老中方の屋敷やしきへ寄合れしに寛永十二年十一月十日御城内じやうないに評定所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)