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すす
ふりがな文庫
“
奨
(
すす
)” の例文
旧字:
奬
将来どうなるかという点については軽々しく判定できないが、私はかなり楽観的で、会う人ごとに焼け跡に帰って家を建てよと
奨
(
すす
)
めている。
長崎の鐘
(新字新仮名)
/
永井隆
(著)
当時西行にひとしい思いを胸に秘めた人々は公家の間にも多くあったろうし、彼もしばしば
出離
(
しゅつり
)
を人に
奨
(
すす
)
めている。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
城下の
商賈
(
しょうこ
)
に令を出して、甲信側の塩商人へどしどし塩を売ってやれ、と
奨
(
すす
)
めればよいのだ。ただし先の欠乏につけこんで、暴利をむさぼる
惧
(
おそ
)
れがある。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ああ! かえってヴァレイ夫人にも
奨
(
すす
)
めたいくらい——日本人! 何てまあお金払いのいい、思いやりの深い
踊る地平線:03 黄と白の群像
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
三人の尼僧が付ききりでしきりに神を
説
(
と
)
き
懺悔
(
ざんげ
)
を
奨
(
すす
)
める。マタ・アリはせせら笑って耳を
籍
(
か
)
そうともしない。それは処刑の朝、八月十一日午前五時だった。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
▼ もっと見る
政綱、信長に
奨
(
すす
)
めるには義元今までの勝利に心
驕
(
おご
)
って恐らくは油断して居ることだろうから、この機を逃さず間道から不意を突けば義元の首を得るであろうと。
桶狭間合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
わたしが
此処
(
ここ
)
に想うこと考うることを
奨
(
すす
)
めたのは、決して行うこと働くことを
斥
(
しりぞ
)
けよというのではない。
婦人と思想
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それは、藤原が説き
奨
(
すす
)
めたためであっただろうか、あるいは彼が「
煽動
(
せんどう
)
」したものであっただろうか。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
ところが、亡くなった森田武彦君という人の
奨
(
すす
)
めで、
俄
(
にわ
)
かに情熱らしいものが出て来て、年の暮れに箱根、年あけて伊豆
大仁
(
おおひと
)
などに
籠
(
こも
)
って書いたのが、大部分であった。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
青年は不安がないでもなかったが、仙妃の態度が未だ
了
(
おわ
)
らざる宿縁を
続
(
つ
)
ぐ以外に何もないように見えるので、注がれるままに酒を飲み、
奨
(
すす
)
めらるるままに肴を口にした。
賈后と小吏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
これは近代の禅僧が頌を作り法語を書かんがために文筆を練るのを斥けて、美言秀句に心を捕えられることなく直接端的に自己の精神を表現すべきことを
奨
(
すす
)
めた言葉である。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
彼は養蚕を
奨
(
すす
)
めて桑を植えさせた。それから養鶏を奨励した。そして彼は、彼の家の所有地を小作している小作人達のためにと、最早七八年もその実地研究を続けているのだ。
黒い地帯
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
無理に
奨
(
すす
)
められ仕方なく時々盃を口にしている様子が子供ながら解るので、私は
厭
(
いや
)
な気持というのではないが非常に荷厄介なような感じで、早く帰ってくださればいいと思った。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
さきに男のすなる事にも
関
(
かかずら
)
いしは
事
(
こと
)
国家の
休戚
(
きゅうせき
)
に関し、女子たりとも
袖手
(
しゅうしゅ
)
傍観すべきに
非
(
あら
)
ず、もし幸いにして、妾にも女の通性とする優しき情と愛とあらば、これを以て有為の士を
奨
(
すす
)
め
励
(
はげ
)
まし
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
こんな話もしたが、大臣は宮にお弾きになることをお
奨
(
すす
)
めした。
源氏物語:21 乙女
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
お
奨
(
すす
)
め申せばとて
拒
(
こば
)
む理由はない、と信じたからであります。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なんでも、おれたち三人の
頭目
(
とうもく
)
の首に、
銭
(
ぜに
)
三千貫の賞を懸けて、諸所の街道に
高札
(
こうさつ
)
を立て、旅人の夜歩きを禁じたり、土民の自警隊を
奨
(
すす
)
めたりしているそうだから
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
早い話が、ちょっと店へ買物に這入っても、売子が品物を
奨
(
すす
)
めながら第一番にいう言葉は、ちゃんときまってる。「これは handmade で御座いますから」
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
内省を
奨
(
すす
)
められるのですが、私たちから見れば、自覚といい内省ということが何よりも「我々の生活の理想は
如何
(
いかん
)
」という第一義的なことに向けられねばならないことを
婦人指導者への抗議
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
つぎに運ばれてきた
火酒
(
ウォッカ
)
の
壜
(
びん
)
からは、相手にだけ
奨
(
すす
)
めて、自分は飲む
態
(
ふり
)
に止めておくように、夫人は、眼立たないように注意した。三十分もすると、ギリシャ正教徒の生ける
屍
(
しかばね
)
ができあがった。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
しかし、私は、彼女の身辺に、今までなかった弱々しいものを感じて、それを、汽車の疲れであろうと判断した。そして、宿所へ帰って休むことを、彼女に
奨
(
すす
)
めてみた。
踊る地平線:10 長靴の春
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
わたしはこういう自信の上から一般の婦人に思想という事を
奨
(
すす
)
めたい。我ら婦人は久しく考えるという能力を
抛棄
(
ほうき
)
していた。頭脳のない手足ばかり口ばかりの女であった。
婦人と思想
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そこで、その一線を如何にして超ゆべきやとの問いに対して、但馬は、剣禅一致の妙境に悟入し得て、初めて剣の奥義が把握せられると答え、沢庵に道を聴くべきを
奨
(
すす
)
めたのである。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三好武蔵守
一路
(
かずみち
)
は秀吉の
姉婿
(
あねむこ
)
である。この人なのでこう
奨
(
すす
)
めもできるのだった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今上
(
きんじょう
)
陛下は武門政治を初め一切の有害無用な旧習を破壊遊ばし、
併
(
あわ
)
せて
汎
(
ひろ
)
く新智識を世界に求める事を
奨
(
すす
)
め給い、学問、技術、言論、信教、出版等あらゆる思想行動の自由を御許しになり、生命
女子の独立自営
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
矢作平
(
やはぎだいら
)
の水害を
治
(
ち
)
せられたり、莫大な私財を投じて、
鎧
(
よろい
)
ヶ
淵
(
ふち
)
を埋め立てて良田と化し、
黄金堤
(
おうごんづつみ
)
を築いて、
渥美
(
あつみ
)
八千石の百姓を、凶作の
憂
(
うれ
)
いから救い、塩田の
業
(
わざ
)
をお
奨
(
すす
)
めあそばすなど、どれほど
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奨
常用漢字
中学
部首:⼤
13画
“奨”を含む語句
奨励
推奨
淳和奨学両院別当
全額奨学金
兵法奨励
劇奨
奨励法
奨励金
奨学両院
奨学金
奨学院
奨意
御奨
美術奨励会理事
英国科学奨励会