吹消ふきけ)” の例文
おもふと、あはが、ゆきふるはすしろはだたゞれるやうで。……そのは、ぎよつとして、突伏つきふすばかりに火尖ひさきめるがごと吹消ふきけした。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
武村兵曹たけむらへいそうまへおなやうそのとびら押開おしひらくと、同時どうじにサツと射込さしこひかりうたがひもない、とびら彼方かなたあかるいところだ、兵曹へいそうはプツと球燈きゆうとう吹消ふきけす、途端とたんに、櫻木大佐さくらぎたいさわたくしむか
それだけ闇を吹消ふきけす愛がいるのだ
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
雲は吹消ふきけすごとくなくなれば
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
「は、」と、返事と息を、はツはツとはずませながら、一度消損けしそこねて、あわただしげに吹消ふきけした。玉野の手は震へて居た。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
強く光つていやな光を吹消ふきけすのだ
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
けてくも吹消ふきけすご
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かれめにかげはるれば、人間にんげんかたちせ、めらるればおとろへ、蹂躙ふみにじらるればなやみ、吹消ふきけさるゝといのちせる。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もつと引續ひきつゞいた可恐おそろしさから、うはずつてはるのだけれど、ねずみえうちかいのでないと、吹消ふきけしたやうにはけさうもないとふので、薄氣味うすきみわるがるのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)