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吉左右
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きっそう
ふりがな文庫
“
吉左右
(
きっそう
)” の例文
「まだ日が暮れたばかりだ。できることなら、勝の野郎を番所へ泊めたくねえ。お前は疲れているなら、ここで
吉左右
(
きっそう
)
を待つがいい」
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いやいや、まだこんな事では、ご参考にもなるまいが、いずれ拙者も心がけて、
吉左右
(
きっそう
)
をつかみ次第に、ご通知いたしましょう」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
出
(
いで
)
は出来ますまい、御帰参の叶う
吉左右
(
きっそう
)
を聞くそれまではお国表にいる事でございましょうから、
私
(
わたくし
)
もどうかお国へ参りとうございます
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
きらずだ、
繋
(
つな
)
ぐ、
見得
(
けんとく
)
がいいぞ、
吉左右
(
きっそう
)
! とか言って、腹が
空
(
す
)
いているんですから、五つ紋も、仙台
平
(
ひら
)
も、手づかみの、がつがつ
喰
(
ぐい
)
。……
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「じゃ、道のついでだ、栗木屋のほうを洗って眼がついたら、
吉左右
(
きっそう
)
しらせに寄ってやるから、帰って待っていな」
右門捕物帖:23 幽霊水
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
虫が知らせる……というほどのことでもないが、江戸へ近づくにつれて、なんとかして壺の
吉左右
(
きっそう
)
が知れそうなものだと、しきりにそんな予感がするのです。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
かならずなんとかしますから、もうこんな不了見を起しちゃいけませんぜ。……この三日のあいだに、
吉左右
(
きっそう
)
をお聞かせしますから、当にして待っていてください
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「貴君の心持はよくわかっています、
吉左右
(
きっそう
)
ともに、これから三カ月後には姉君を伴うて必ず熊本へ参りますから、貴君も心を安んじ、御自愛第一にして待っていて下さい」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しからば、ご病気ご全快を待って、
吉左右
(
きっそう
)
を見るより他に法はない。それまでに、
粗忽
(
そこつ
)
があって美女を損じてはならぬというので、離れの一間は、警戒がよほど厳重になってきた。
純情狸
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
「待っていて下さい。必ず二三日中には、
吉左右
(
きっそう
)
を御聞かせしますから。」
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かついえ公はごきげんよく
御酒
(
ごしゅ
)
をまいられ、たゞ一戦にてきをほろぼし藤吉郎めのくびを取って、月のうちにはみやこへのぼってみせようぞ、かならず
吉左右
(
きっそう
)
を待っておられよと仰っしゃって
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そんなら、別れるが——安心して
吉左右
(
きっそう
)
を待ちなせえよ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
姑
(
しばら
)
く元の席に帰って
吉左右
(
きっそう
)
を待たれい
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
吉左右
(
きっそう
)
を待っていたのである。
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
が、しかしこのまま帰って、まだ
吉左右
(
きっそう
)
を待っているはずのお品と文次郎の母親に顔を合せたとき、一体どんな事になるでしょう。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
吉左右
(
きっそう
)
、おまちかねのこととぞんじて、とりあえず、正成の首級のみ、即刻、これに持参いたしました。……まずは、御実検を」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お喋りしてさぞお耳ざわりだったことでしょう。手前はこれから『かごや』へ行って、とっくりと検べあげ、夕方までに
吉左右
(
きっそう
)
をお知らせいたします、では、ごめん
顎十郎捕物帳:21 かごやの客
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
こはこの風説早くも聞えて、
赤髯奴
(
せきぜんど
)
の
譎計
(
けっけい
)
に憤激せる草刈
夥間
(
なかま
)
が、三郎の
吉左右
(
きっそう
)
を待つ間、示威運動を行うなり。大助これを見て
地蹈韛
(
じだんだ
)
を踏みて狂喜し、欄干に片足懸けて半身を乗出だしつ。
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
早速三条の道徹方へ
吉左右
(
きっそう
)
を知らせた。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
夜の
九刻
(
ここのつ
)
ごろ、押田仙十郎は宙を飛んで氷川下の屋敷へ帰ってきた。すぐ奥へ通って、
吉左右
(
きっそう
)
を待ちかねている重左の前へ出た。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まことに、もう戻ってもよいじぶん。……いや今夜あたりは、馬にムチ打って、
吉左右
(
きっそう
)
、これへもたらしてまいりましょう」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わかりました。首を長くして
吉左右
(
きっそう
)
を待っている一族どもも、さだめし、よろこぶことでしょう。御高恩はわすれません」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「善は急げという。ご決心がついたら直ぐやり給え。予は、ここで酒を酌んで、
吉左右
(
きっそう
)
を待っていよう」と、煽動した。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「みなさん、さだめしお疲れだろう。おそらく
吉左右
(
きっそう
)
は明朝のことになる。今夜はここでゆるりと、野営なさるがいい」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……が、峠の方では、一同が案じ合って、
吉左右
(
きっそう
)
を待っているにちがいない。さあ先生、そっちの方へ急ぎましょうぜ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
百方奔命につかれるほど努力しても、何の
吉左右
(
きっそう
)
も得られない事もあれば、又こちらの思いもうけぬ事を、ふと、先から耳に入れてくれる場合もある。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ウム、それもよかろう。いずれ今宵のうちに、
吉左右
(
きっそう
)
が知れるであろうから、心待ちに帰邸を待っておるぞ」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中心に、手分けさせておりますが、それらの者も、なぜか、まだ一人とて立ち帰って来ません。自身、石川まで行って、
吉左右
(
きっそう
)
のほど、確かめてまいりまする
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ご縁談の儀は、いかがでしょうか。一家君臣をあげて、この良縁の
吉左右
(
きっそう
)
を、
鶴首
(
かくしゅ
)
しておるものですから」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぐずぐずしていれば、
丹羽昌仙
(
にわしょうせん
)
の
密使
(
みっし
)
が、
秀吉
(
ひでよし
)
のところへついて、いかなる
番狂
(
ばんくる
)
わせが起ろうも知れず、四日とたてば、
木隠
(
こがくれ
)
龍太郎の
吉左右
(
きっそう
)
もわかってくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
魏の急使は、呉の主都、建業に着いて、いまや呉の
向背
(
こうはい
)
こそ、天下の将来を左右するものと、あらゆる外交手段や裏面工作に訴えて、その
吉左右
(
きっそう
)
を待っていた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足手纒
(
あしてまと
)
いだ。それにあなたは、今夜の大将だから、これにいて、
吉左右
(
きっそう
)
をお待ちくだされば、それでよい。決して、あなたの御使命を
為損
(
しそん
)
じるようなことはせぬ
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半分はそれにご同意を示し、半分はこの官兵衛の
吉左右
(
きっそう
)
を心待ちにお待ちになるものと
愚考
(
ぐこう
)
されまする。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
万吉はどうしているだろうか? 常木
鴻山
(
こうざん
)
もさだめし消息を案じているだろう? 松平左京之介様は、自分たちの
吉左右
(
きっそう
)
を、首を長くして待っているに違いない。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何としても、城中にあるお味方の最後のもう
一耐
(
ひとこら
)
えが大事です。案じられてなりません。さだめしまた、長篠の方々は、首を長うして
吉左右
(
きっそう
)
を待ちおりましょう。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
血気な正季などは、日ごろの同気をかたらって、はや無断、陣立ちしたと知らされて、気が気でなく、呼び返しにやった使いの
吉左右
(
きっそう
)
を、待たれているところなのだ。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉も、この二日ほどは、二人の
吉左右
(
きっそう
)
いかにと、独りその返報を、案じていたところらしい。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あなたは大人しく屋敷に居て
吉左右
(
きっそう
)
をお待ちなさいましという意味に受け取って差支えない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「では早々、新田殿とも打合せ、共に前途のよい御武運と
吉左右
(
きっそう
)
、お待ちしております」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はかっておるうちに、勅使はすでに、この里へお臨みなのだ。帝は沖のお船で
吉左右
(
きっそう
)
を
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まあ一足先きに筑波屋へ宿をとって置いて、おれの
吉左右
(
きっそう
)
を楽しみに待っていてくれ
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
耀蔵は、附近の
自身番
(
じしんばん
)
へ、
縄付
(
なわつき
)
を抛り込むように預けて、すぐに前の四つ辻まで駈け戻った。そして、そこらの大通りを中心に縦横に駈け廻って、僚友波越八弥の
吉左右
(
きっそう
)
をさがし求めた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山科のお旦那、
遽
(
にわか
)
に赤穂表へ用ありげに出立、お供して参る。
吉左右
(
きっそう
)
、後より。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『初耳だな、十郎左。何かよい
吉左右
(
きっそう
)
でも近いうちに探り取れる
的
(
あて
)
があるのか』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、彼の乗物の蔭に待っていた武将が、参内の
吉左右
(
きっそう
)
を小声でたずねた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吉左右
(
きっそう
)
を待ちかねていた梅雪入道は、くっきょうな武士七、八名に、身のまわりをかためさせて、
築山
(
つきやま
)
の
亭
(
ちん
)
へ足をはこんできた。そこには、
黒衣覆面
(
こくいふくめん
)
の密書の使いが、両手をついてひかえていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、そちはいつぞや、雍闓の使いに来た男ではないか。その後、待ちに待っておるに、沙汰のないのは、如何いたしたものだ。疾く帰って、主人雍闓に、
吉左右
(
きっそう
)
を相待ちおると、申し伝えい」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「官兵衛の行動こそ、眉つばものである。そんなあてにもならぬものの
吉左右
(
きっそう
)
をお待ちあるまに、敵はいよいよ聯絡をかため、防備を充実し、ついには寄手の猛攻も
効
(
かい
)
なきものとなりましょうに」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
也有
(
やゆう
)
の句の刻まれてある石碑のかげに、その時人影がうごいたようですが、それは問うまでもなく最前から、使いの
吉左右
(
きっそう
)
いかにと、ここに首を長くしていた釘勘で、近づく足音を聞くとすぐに
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はやくても使いの
吉左右
(
きっそう
)
がわかるのは、夜半か、明朝か」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“吉左右”の意味
《名詞》
良い知らせ。
良し悪し、成否などの知らせ。
(出典:Wiktionary)
吉
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
左
常用漢字
小1
部首:⼯
5画
右
常用漢字
小1
部首:⼝
5画
“吉左”で始まる語句
吉左衛門