セント)” の例文
台湾館の中では選抜よりぬ飛切とびきりの台湾生れの別嬪べっぴんが、英語ペラペラで烏龍茶の講釈をしながら一枚八セント芭蕉煎餅ばしょうせんべいを出してお給仕をする。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一本十セントで、別に制限はないらしい。Pはビールが好きだと見えて、毎日五、六本も買い込んでは飲んでいたが、時々僕に一本か二本くれる。
赤盤片面一枚三ドルの時代は、日本の小売相場は七円五十銭で、一ドル七十五セント均一になってから、四円五十銭に値下げされた。
リンキイ君が、五セント玉をひとつ拾っただけで、「チェッ」と舌打ち諸共もろとも、銀貨を空にほうりあげ、意気なスタイルをみせてくれただけの事でした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
といふのは、応募原稿が規定の千五百語より少かつた場合には、その少い語数だけ一語十セントの割合で原稿料を払ふのだ。
酒はきまってる。燃える水アグワルデンテ。言わば、ほるつがる焼酎。一ばい金2セント——どいす・とすとんえす——也。
「さあお祝のしるしに一本! 一本いかがです。五セント! 五仙! さあ記念に一本!」
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
即ちレーン・クロフォード半期欠損額九万五千七百六十元四六セント、これが填補てんぽは前年度繰越金から二万六千九三元五一仙、株主準備金から二万元、一般準備金から五万元をもってする。
新種族ノラ (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
グラニッチ老人がくれる一時間四セントの増給を受け取ってもいいものであろうか。
反戦文学論 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
たとへば昨年さくねんの七ぐわつ日本にほん標準生糸へうじゆんきいときん横濱相場よこはまさうばは千三百二十ゑんであつて、對米爲替相場たいべいかはせさうばは四十四ドルぶんの一であつたから、米國べいこくではこれが五百八十二ドル四十五セントであるが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
一年の後、何千マイル隔てた海と陸の彼方で、息子が五十セントの昼食にも事欠きながら病と闘っていることを人伝ひとづてに聞いたトマス・スティヴンスン氏は、流石さすがに堪えられなくなって、救の手を差しのべた。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
それによって見ると、亜米利加では小学校を卒業した者、即ち十歳くらいの子供が何か詰らない仕事をして、一日に十セントか八仙くらいの賃銭を貰う。その給金が段々と年を重ぬるに従って増して行く。
教育の目的 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その毛唐らが這入りがけや出て行きがけにあっしとノスタレに五セントか十セントずつ呉れて行きます。たまには一ドルも五ドルも呉れる奴が居る。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
政府は近々きん/\小包郵便の料金をへるさうだが、一八四五年米国政府が、普通郵便物の料金を三百マイルまでは五セント、それ以上は十仙に規則を変へた事があつた。
まるで年の暮れに猶太ユダヤ人の莫大小メリヤス屋が、一ドル股引ももひきを九十九セントに「思い切り値下げ」して、「犠牲的大廉売」、「自殺か奉仕かこの英断!」なんかと楽隊入りで広告するような
そして彼は航空郵便用の封筒と六セントの切手を二枚僕に渡した。捕虜である僕に文通の自由が許されている訳はない。Pはそれを察して、僕の代りに投函してやろうというのである。
シャンパンのキルクがボーイの鉤鼻かぎばなから落下すると私のパートナアが横目をつかってボーイに現金で酒代とチップを渡すように催促して別に靴先につける天花粉の代金十セントを請求する。
孟買挿話 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
黄色イエロオタクシイの運転手に、インチキ英語ブロオクンイングリッシュを使って、とんでもない支那街シナがいに、連れこまれたことも、市場通りマアケットストリイトで、一本五十セントなりの赤ネクタイを買ったことも、今はなつかしい思い出のひとつです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
對米爲替相場たいべいかはせさうば金解禁後きんかいきんご今日こんにちおいては四十九ドルぶんの一に騰貴とうきしたから、今日こんにち日本にほんおい昨年さくねんぐわつおなじ千三百二十ゑん相場さうばとすれば、これは六百五十ドルセント相當さうたうするので
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
食堂から五十二セントの日本ビールを一本買って来て、ベットの上にアグラを掻きながら、缶の蓋を開けて、美味うまそうな腸詰ちょうづめの横ッ腹をジャクナイフで薄く切り初めたもんですが
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼らはまた、その時貰う銅貨の多寡によって、ゴンドラの上の外国人を、自由に呪ったり祝福したりすることも出来ます。彼らは、その一セントセントで、直ぐに紙巻煙草を買うのです。
踊る地平線:10 長靴の春 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
そして騒ぎ立てる聴衆ききてを制しながら、諸君は真つ青になつてお驚きのやうだが、今こはしたのは五千弗の提琴ヴアイオリンぢやない、実は一弗六十五セントの安物に過ぎない、これからお聴きに達するのが
六十さい前後の老人夫婦から、十五歳位の少年少女のカップルにいたるまで、ダンスをたのしんでいるホオルをのぞいたことも、ダウンタアオンで五セントはらい、メリイゴオランドの木馬にまたがったことも
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
演題と五十セント2・18(夕)
二十五セント8・18(夕)