事務じむ)” の例文
とか、うちとけてむぞうさにいうところも、みょうにあらたまって命令的めいれいてき事務じむの話をするのである。糟谷はもうおちついて事務がとれない。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
其頃そのころ事務じむにもれるし、信用も厚くなるし、交際も殖えるし、勉強をするひまが自然となくなつて、又勉強が却つて実務のさまたげをする様に感ぜられてた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたくしさきにも申上もうしあげましたとおり、医学上いがくじょう事務じむ地方自治体ちほうじちたいほうへ、おわたしになってはどうでしょう?』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それで到頭たう/\落城らくじやうしてしまつたのです、滅亡めつばういては三つの原因げんいんが有るので、(一)は印刷費いんさつひ負債ふさい、(二)は編輯へんしうと会計との事務じむ煩雑はんざつつて来て、修学しうがく片手業かたてまあまるのと
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それにこのあひだに、多人數たにんず下役したやく謁見えつけんをする。受持々々うけもち/\事務じむ形式的けいしきてき報告はうこくする。そのあわただしいなかに、地方長官ちはうちやうくわん威勢ゐせいおほきいことをあじはつて、意氣揚々いきやう/\としてゐるのである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしさきにも申上まをしあげましたとほり、醫學上いがくじやう事務じむ地方自治體ちはうじちたいはうへ、おわたしになつては如何どうでせう?』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あさうち役所やくしよつねごと事務じむつてゐたが、折々をり/\昨夕ゆうべ光景くわうけいうかぶにれて、自然しぜん御米およね病氣びやうきかゝるので、仕事しごとおもやうはこばなかつた。ときにはへん間違まちがひをさへした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)