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亀井戸
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かめいど
ふりがな文庫
“
亀井戸
(
かめいど
)” の例文
国貞は
爰
(
ここ
)
から大川橋へ廻って
亀井戸
(
かめいど
)
の
住居
(
すまい
)
まで
駕籠
(
かご
)
を雇い、また鶴屋は
両国橋
(
りょうごくばし
)
まで船を
漕
(
こ
)
ぎ戻して
通油町
(
とおりあぶらちょう
)
の店へ帰る事にした。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
亀井戸
(
かめいど
)
の
金糸堀
(
きんしぼり
)
のあたりから
木下川辺
(
きねがわへん
)
へかけて、水田と立木と
茅屋
(
ぼうおく
)
とが趣をなしているぐあいは武蔵野の
一領分
(
いちりょうぶん
)
である。ことに富士でわかる。
武蔵野
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
お母様は、「それで思い出しました。
亀井戸
(
かめいど
)
の葛餅屋は
暖簾
(
のれん
)
に川崎屋と染めてありました。柔いからお
祖母
(
ばあ
)
様も召上れ。」
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
そう考えて来ると、第一この男が
丸
(
まる
)
の
内
(
うち
)
仲通
(
なかどお
)
りを歩いていて、しかもそこで
亀井戸
(
かめいど
)
への道を聞くということが少し解しにくいことに思われて来る。
蒸発皿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
エイと左の肩より胸元へ
切付
(
きりつ
)
けましたから、
斜
(
はす
)
に三つに切られて何だか
亀井戸
(
かめいど
)
の
葛餅
(
くずもち
)
のように成ってしまいました。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
但し、松崎は、
男女
(
なんにょ
)
、その二人の道ずれでも何でもない。当日ただ一人で、
亀井戸
(
かめいど
)
へ
詣
(
もう
)
でた
帰途
(
かえり
)
であった。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
僕は
早速
(
さっそく
)
彼と一しょに
亀井戸
(
かめいど
)
に近い
場末
(
ばすえ
)
の町へ行った。彼の妹の縁づいた先は
存外
(
ぞんがい
)
見つけるのに
暇
(
ひま
)
どらなかった。それは
床屋
(
とこや
)
の裏になった
棟割
(
むねわ
)
り
長屋
(
ながや
)
の一軒だった。
彼
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
千住
(
せんじゅ
)
辺へ出かけた時とか、または
堀切
(
ほりきり
)
の
菖蒲
(
しょうぶ
)
、
亀井戸
(
かめいど
)
の
藤
(
ふじ
)
などを見て、彼女が幼時を過ごしたという江東方面を、ぶらぶら歩いたついでに、彼女の家へ立ち寄ったこともあり
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
捕物の名人銭形の平次と、その子分の八五郎、野暮用で
亀井戸
(
かめいど
)
へ行った帰り、
東両国
(
ひがしりょうごく
)
の見世物小屋へ入ったのは、初夏の陽も、
漸
(
ようや
)
く蔭を作りかけた
申刻
(
ななつ
)
(四時)近い刻限でした。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
亀井戸
(
かめいど
)
——私はまだ行ったことはないが、写真で見ると——のように、竹や丸太棒の棚作りにしては、横から見ても仰のいても、花の美しさは完全に利用されてるとは思われない
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
注文によってはこれも何んでも彫る。どんなつまらないものでも彫る。そこで、洋傘の
柄
(
え
)
を彫る。
張子
(
はりこ
)
の型を彫る(これは
亀井戸
(
かめいど
)
の天神などにある張子の虎などの型を頼みに来れば彫るのです)
幕末維新懐古談:39 牙彫りを排し木彫りに固執したはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
この藤は早く咲きたり
亀井戸
(
かめいど
)
の藤咲かまくは十日まり後
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
それから
根岸
(
ねぎし
)
の
御行
(
おぎょう
)
の松、
亀井戸
(
かめいど
)
の
御腰掛
(
おこしかけ
)
の松、
麻布
(
あざぶ
)
には一本松、
八景坂
(
はっけいざか
)
にも
鎧掛
(
よろいかけ
)
の松とか申すのがありました。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
エー
何
(
なん
)
とも重々恐れ入りやした、田舎者で始めて江戸へ
参
(
めえ
)
りやして、
亀井戸
(
かめいど
)
へ参詣して巴屋で一
杯
(
ぺい
)
傾けやした処が、料理が
佳
(
い
)
いので飲過ぎて
大酩酊
(
おおめいてい
)
を致し
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ちょっと伺いますが
亀井戸
(
かめいど
)
へはどう行ったらいいでしょう。……
玉
(
たま
)
の
井
(
い
)
という所へ行くのですが」と言う。
蒸発皿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その頃流行った「一瓢を携えて」
亀井戸
(
かめいど
)
の
臥龍梅
(
がりゅうばい
)
を見、少し廻り道をして、五つ目の羅漢寺に詣で、蠑螺堂の回廊をキャッキャッと騒ぎながら登ったのは、最早夕景近くなってからでした。
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それがこのさびしい夜の仲通りを、しかも東から西へ向かって歩きながら、たまたま出会った自分に
亀井戸
(
かめいど
)
への道を聞くのは少しおかしいようにも思われる。
蒸発皿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
五渡亭国貞は「歌川を疑はしくも名乗り得て二世の豊国
贋
(
にせ
)
の豊国」の
落首
(
らくしゅ
)
に
諷刺
(
ふうし
)
せられしといへどもとにかく歌川派の画系をつぎ
柳島
(
やなぎしま
)
と
亀井戸
(
かめいど
)
とに邸宅を有せしほどなれば
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
貴方まア
私
(
わたくし
)
から
幾許
(
いくら
)
お
文
(
ふみ
)
を上げましても一度もお返辞のないのはあんまりだと存じます、貴方はもう
亀井戸
(
かめいど
)
の事をお忘れ遊ばしたか、私はそればっかり存じて居りますけれども
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「これはこれは
亀井戸
(
かめいど
)
の師匠。どうして手前共がここにいるのを御存じで御ざりました。」
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
午後
(
ひるすぎ
)
から
亀井戸
(
かめいど
)
の
竜眼寺
(
りゅうがんじ
)
の書院で
俳諧
(
はいかい
)
の
運座
(
うんざ
)
があるというので、
蘿月
(
らげつ
)
はその日の午前に訪ねて来た長吉と
茶漬
(
ちゃづけ
)
をすました
後
(
のち
)
、
小梅
(
こうめ
)
の
住居
(
すまい
)
から
押上
(
おしあげ
)
の
堀割
(
ほりわり
)
を
柳島
(
やなぎしま
)
の方へと連れだって話しながら歩いた。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
亀
常用漢字
中学
部首:⼄
11画
井
常用漢字
小4
部首:⼆
4画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
“亀井戸”で始まる語句
亀井戸村
亀井戸天神
亀井戸普門院