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ふりがな文庫
“
主婦
(
かみ
)” の例文
グージャールが
主婦
(
かみ
)
さん相手に決闘場所の借り賃を値切ってる声が聞こえていた。ジュリアンは時間を
無駄
(
むだ
)
に費やしてはいなかった。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
でぶ/\に肥つた四十あまりの
主婦
(
かみ
)
さんと、その妹だといふ
梟
(
ふくろふ
)
の様な眼をした中年の女とが、代る/″\店に出て始終客を呼んで居た。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
一週間ばかし前に傭った小僧が夜明けがたその
主婦
(
かみ
)
さんの枕頭に立ち斧を振って滅多打にしたのだ。犯人は有金を攫って逃げたらしかった。
雲の裂け目
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
然し庄吉はまた、大留の遊びを余り深入りさせないために惣吉は内々お
主婦
(
かみ
)
さんから大留につけられているのだ、ということをも知っていた。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
かういふ、冬が往つたばかりの時分に一人でひよつくり來たものだから、
主婦
(
かみ
)
さんは待ち設けない事で、どこか
體
(
からだ
)
でもお惡いのですかと聞いた。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
神様はおいささんを呪禁ったかどうしたか? 私の耳へは、お
主婦
(
かみ
)
の話の代りに、女車掌の「お待ちどう様でした。××行きでございます……」
沼畔小話集
(新字新仮名)
/
犬田卯
(著)
『ぢやね、芳ちやんの樣な人で、モ
些
(
ちつ
)
と許りお尻の小さいのを嫁に貰つて呉れたら、一生酒を
禁
(
や
)
めるからツてお
主婦
(
かみ
)
さんにそ云つて見て呉れ。』
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
クラチットの
主婦
(
かみ
)
さんは彼に接吻した、娘達も彼に接吻した、二人の少年クラチットどもも彼に接吻した。そして、ピータアと彼自身とは握手した。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
降誕祭
(
ワイナハト
)
の初めの日には、
主婦
(
かみ
)
さんが、タンネンバウムを飾るから手伝ってくれぬかと言うので、お手伝いしました。
先生への通信
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
背や
袖
(
そで
)
に黄色い花びらをつけているお
主婦
(
かみ
)
さんや、娘たちは花の穂のなかに小腰をかがめ、めいめい両手を合わして、その生き神さまを拝んでくれる。
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
お
主婦
(
かみ
)
さん、
乃公
(
わし
)
はこゝで一寸天文学の講釈をするがね、
凡
(
すべ
)
てこの世界にある物は、二千五百万年経つと、また
元々
(
もと/\
)
通りに
還
(
かへ
)
つて来る事になつてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ついて行くと、伯父はもう下宿の下駄をつっかけて出てしまったあとで、帳場で
主婦
(
かみ
)
さんと女中が笑っていた。
斗南先生
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
八百屋のお
主婦
(
かみ
)
さんは押しが強くつて、まだ湯が沸いてゐないと云つても、ずん/″\先へ入つて、自分が出ると、直ぐにお爺さんを呼んで來て入れるんですよ。
水不足
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
小さんさんなども晩年は大したものでしたが、一時はビラを描いて、お
主婦
(
かみ
)
さんが常磐津の師匠をしてそれでやつと子供の手足を伸ばしたなんて言ふ話もあります。
燕枝芸談
(新字旧仮名)
/
談洲楼燕枝 二代
(著)
すると、待ち構えていたようにいちばんに上って来たのは、さっき見かけたこの家のお
主婦
(
かみ
)
なのです。
島原心中
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
お
主婦
(
かみ
)
さんが起きて開けてくれ、そうそうと思い出したように、久能さん、お手紙、
青
(
ああ
)
ちゃんが預ってるわ、と少し皮肉らしくいったので、突嗟に久能は異常なものを感じた。
リラの手紙
(新字新仮名)
/
豊田三郎
(著)
我々が昼食をしたある村では、お
主婦
(
かみ
)
さんが我々の傍に膝をついて坐り込み、我々が何か口に入れるごとに、歯をむき出してニタリニタリと笑ったり、大声を立てて笑ったりした。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
「お
主婦
(
かみ
)
さんはどうしたの」といいながら私は
例
(
いつも
)
の通り長火鉢の向うに坐った。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
帽子はお
主婦
(
かみ
)
さんにやってタオルを鉢巻にして出直したら今度は誰も笑わぬ。
放心教授
(新字新仮名)
/
森於菟
(著)
下宿のお
主婦
(
かみ
)
は、何時もながらの植民地帰りの寡婦らしい硬い声で、それでも弟の死だらうと、大概は見当が付いてゐたものとみえ、
流石
(
さすが
)
に眼を伏せて、梯子段の中途から、ソツと電報を投込んだ。
亡弟
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
そこの主人も
主婦
(
かみ
)
さんも彼の顔は知っていた。
子をつれて
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
『
主婦
(
かみ
)
さん、何か有ますか。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
例の菓子屋から、傘がないので風呂敷を
被
(
かぶ
)
つて歸つて來て見ると、宿の
主婦
(
かみ
)
さんの渡してくれたのが、此手紙です。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「あら、あなたも知ってるの……あの時はほんとに可笑しかったわ。でもあれは、私の知恵じゃないのよ。お
主婦
(
かみ
)
さんと二人で一生懸命に考えたのよ。」
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
恰度
(
ちょうど
)
その少し前、鴉が妙な啼きかたをしていたので、やっぱし、そうでした、と母は不思議そうな顔をした。それから
次
(
つづ
)
いて、そこの
主婦
(
かみ
)
さんが殺された。
雲の裂け目
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
主婦
(
かみ
)
さんとむすこは始終いろいろ話しておりましたが、兄妹の間にはいっこうなんの話もありませんでした。それでもネクタイはやっとできあがったそうでした。
先生への通信
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
料理が済むと、
主婦
(
かみ
)
さんは
勘定書
(
かんぢやうがき
)
を持ち出した。天文学者はじつとその
〆高
(
しめだか
)
を見つめてゐたが、暫くすると、
望遠鏡
(
とほめがね
)
を覗く折のやうに変な眼つきをして
主婦
(
かみ
)
さんを見た。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そこの茶店のお
主婦
(
かみ
)
さんが、まア、しばらくですね、まだ時間があるようですから、こちらへ腰を下ろしてお待ちなせえよ、と言いながら、もうお茶など汲んで出してくれるのであった。
沼畔小話集
(新字新仮名)
/
犬田卯
(著)
僕は、お
主婦
(
かみ
)
が何か
畏
(
かしこま
)
っていっているのを聞き流して、梯子段を降りたのです。
島原心中
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
少
(
しば
)
らく自分の挫けた氣持を見探りつゝ、蒲團の襟を脱ぎ返さうとすると、さつきからじつと枕元に坐つてゐたらしく、直ぐにそれに手を貸してくれるのを、やつぱり
主婦
(
かみ
)
さんだと思つて
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「まあ、あれをお聞きよ、ピータア」と、クラチットの
主婦
(
かみ
)
さんは云った。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
規則正しい、高いトヨの
蹄
(
ひづめ
)
の音が、静かな部落に響きわたると、往来に
呆
(
ぼ
)
んやり
佇
(
たたず
)
んでいたお
主婦
(
かみ
)
さんや、
野良
(
のら
)
径を
忙
(
せわ
)
しげに
往
(
ゆ
)
き
来
(
き
)
していた百姓たちは、驚いたように径をゆずって馬上をふり仰ぐ。
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
そこの主人も
主婦
(
かみ
)
さんも彼の顏は知つてゐた。
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
彼は真直に帳場のお
主婦
(
かみ
)
さんの方へ行って、今迄の借りを全部払った。それからゆっくり階段を上っていった。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
例の菓子屋から、傘がないので風呂敷を被つて帰つて来て見ると、宿の
主婦
(
かみ
)
さんの渡してくれたのが此手紙です。いくら読み返して見ても、矢張り
老父
(
おやぢ
)
が死んだとしか書いて居ない。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
いちばん高い枝につるすには
梯子
(
はしご
)
が入用でした。あぶないと言ったがきかないで、スタルク嬢がつるしました。その夜の十一時の汽車で
主婦
(
かみ
)
さんのむすこが帰って来るということでした。
先生への通信
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
『気が付きますと、お
主婦
(
かみ
)
が私の持っている短刀をもぎとっていたのです』
島原心中
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「えゝ/\、よござんすとも。」と
主婦
(
かみ
)
さんは
愛相
(
あいそ
)
笑ひをしながら言つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そして、クラチットのお
主婦
(
かみ
)
さんや娘どもの出精と手ばやさとを褒めた。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
息を切らした宿屋の
主婦
(
かみ
)
さんが、
周章
(
あわ
)
てふためいてやつて來た。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「俺は働きがあるんだい。専太の野郎とは
異
(
ちが
)
うんだからな。」と彼は云った。「惣吉や。」とお
主婦
(
かみ
)
さんは呼んだ。そして彼はよく昼過ぎのお茶受けを買いにやらされていた。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
話しかける
主婦
(
かみ
)
さんの言葉には碌々返辞もせずに、自分の用だけを頼んで——柳容堂からと云って電話がかかったら、つないだまま知らしてほしい、他の電話や訪客には一切
野ざらし
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「こないだね、親方が例の処へ行って朝遅く帰って来たもんだから、お
主婦
(
かみ
)
さんに小言を喰って喧嘩をおっぱじめたんだ。だが後でお主婦さんにあやまっていたよ。
甘
(
あめ
)
えんだな。」
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
“主婦”の意味
《名詞》
主 婦(しゅふ)
家事を主な仕事とする妻。
(出典:Wiktionary)
“主婦”の解説
主婦(しゅふ、英:housewifeこの表現は現在では古い上に良いイメージの言葉ではなく、「家庭に隷属的な女性」というイメージを持つ言葉となっている。あるいはhomemaker)は、一般に家事・育児を主にする既婚(もしくは内縁)の女性をいう。
(出典:Wikipedia)
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
婦
常用漢字
小5
部首:⼥
11画
“主”で始まる語句
主
主人
主家
主水
主翁
主従
主題
主君
主税
主計