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一概
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いちがい
ふりがな文庫
“
一概
(
いちがい
)” の例文
抱
(
いだ
)
いていたかも知れず
一概
(
いちがい
)
に利太郎であるとは断定し難いまた必ずしも
痴情
(
ちじょう
)
の
沙汰
(
さた
)
ではなかったかも知れない金銭上の問題にしても
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これらを
見
(
み
)
てもこの
時代
(
じだい
)
の
人間
(
にんげん
)
を
一概
(
いちがい
)
に
野蠻人
(
やばんじん
)
だとはいへない、たゞ
金屬
(
きんぞく
)
を
使用
(
しよう
)
することを
知
(
し
)
らなかつたといふにすぎないのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
ただスリラアという
侮蔑
(
ぶべつ
)
的呼称の連想から、
一概
(
いちがい
)
に低調なものと思い込んでいるむきがあるかも知れないと考えたことが、一つの理由であった。
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし、これにもまたいろいろ長短があり
一概
(
いちがい
)
にはいえぬが、実はこれを
見破
(
みや
)
ぶるほどの
食通
(
しょくつう
)
もいないので、商売
繁昌
(
はんじょう
)
、客にも
判
(
わか
)
る人はきわめて少ない。
握り寿司の名人
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
日本の絵画の年々進歩するのは争うべからざる事実ではあるが、その原因を某氏のように
一概
(
いちがい
)
に文部省の展覧会に帰するのは間違っているように思われる。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
もっとも大蔵大臣の事についてかれこれ証拠立てて言う人もありましたけれども、その人はどういう性質の人か解らぬから
一概
(
いちがい
)
に信用することが出来なかった。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
だから
正岡
(
まさをか
)
の書いたことは
一概
(
いちがい
)
に譃とも云はなければ、一概にほんたうとも云はれないさ
正岡子規
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それを
大掴
(
おおづかみ
)
に、
恋歌
(
こいか
)
を書き散らして参った。
怪
(
け
)
しからぬ事と、さ、それも人によりけり、
御経
(
おきょう
)
にも、
若有女人設欲求男
(
にゃくうにょにんせつよくぐなん
)
、とありまするから、
一概
(
いちがい
)
に
咎
(
とが
)
め立てはいたさんけれども。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もちろんかういふ
歌
(
うた
)
をまねたものが
多
(
おほ
)
いからといつて、
日本
(
につぽん
)
の
文學
(
ぶんがく
)
は
悲觀的
(
ひかんてき
)
な
文學
(
ぶんがく
)
だなどゝ、よくも
道理
(
どうり
)
を
知
(
し
)
らないで、
一概
(
いちがい
)
にばかにしてかゝるのはいけない
癖
(
くせ
)
だとおもひます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
一概
(
いちがい
)
にそうは考えていないんです。人間が組織の中に生きている以上、いっさいの個人的関心を乗りこえて果たさなければならない公けの義務があることは、ぼくも知っています。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
その
休息時間
(
きゆうそくじかん
)
の
長短
(
ちようたん
)
、
或
(
あるひ
)
は
休眠
(
きゆうみん
)
から
覺
(
さ
)
めたときの
活動
(
かつどう
)
ぶりにも
各火山
(
かくかざん
)
にめい/\の
特色
(
とくしよく
)
があつて、
一概
(
いちがい
)
にはいへないが、
平均期間
(
へいきんきかん
)
よりも
長
(
なが
)
く
休止
(
きゆうし
)
した
後
(
のち
)
の
噴火
(
ふんか
)
は
平均
(
へいきん
)
の
場合
(
ばあひ
)
よりも
強
(
つよ
)
く
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
西洋人は
一体
(
いったい
)
に女性尊重と
見做
(
みな
)
されているが、
一概
(
いちがい
)
にそうも言い切れない。
女性崇拝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
では、彼の眼前に鼻から息を吹いている
憐
(
あわ
)
れな動物が、彼自身で、それに手荒な鞭を加えるものは誰なのだろう。吉川夫人? いや、そう
一概
(
いちがい
)
に断言する訳には行かなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そう
一概
(
いちがい
)
なことも出来ないよ。この先一年もつか二年もつか知れないが、
俺
(
おれ
)
の寿命は
極
(
きま
)
っているのだし、そこへ持って来て母親までなくしては、あんまり子供が
可哀相
(
かわいそう
)
だからね。
お勢登場
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは
冗談
(
じようだん
)
であるけれども、さういふ風に人物なり事件なりが予定とちがつて発展をする場合、ちがつた
為
(
た
)
めに作品がよくなるか、わるくなるかは
一概
(
いちがい
)
に言へないであらうと思ふ。
一つの作が出来上るまで:――「枯野抄」――「奉教人の死」――
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日本料理といっても、
一概
(
いちがい
)
にこれが日本料理だと簡単にいい切れるものではない。いい切った後から、とやかくと問題が起こり、
水掛
(
みずかけ
)
論が長びき、焦点がぼけてしまうのが常だからだ。
味覚馬鹿
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
ほかの小供も
一概
(
いちがい
)
にこんなものだろうと思っていた。ただ清が何かにつけて、あなたはお
可哀想
(
かわいそう
)
だ、
不仕合
(
ふしあわせ
)
だと無暗に云うものだから、それじゃ可哀想で不仕合せなんだろうと思った。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは体質の相違だろうから、
一概
(
いちがい
)
に女をわからず屋とするわけにはいかぬ。
鮪を食う話
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
一概
(
いちがい
)
に唯インデペンデントであるということを主張するのではないのであります。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何事によらず
一概
(
いちがい
)
の論はよろしくない。
握り寿司の名人
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
概
常用漢字
中学
部首:⽊
14画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥