“むげん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無間47.5%
無限28.8%
夢幻10.2%
無絃6.8%
無言3.4%
夢現1.7%
無現1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
帆綱を握つて身を支へ、まなじりを決して顧睥こへいするに、万畳の波丘はきう突如として無間むげん淵谷えんこくと成り、船幽界いうかいに入らむとして又たちまちに雲濤うんたうに乗ぜんとす。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ちかやうでも海上かいじやうの三容易ようゐでない、無限むげん大海原おほうなばらたゞよつてつたあひだこそ、しまさへ見出みいだせば、たゞちにたすかるやうかんがへてつたが、仲々なか/\左樣さうかぬ。
せるにあらぬかといふ、夢幻むげんきやうにさまよひ、茫然ばうぜんとしてうごかずにうしろから、突然とつぜん、一黒影くろかげ出現しゆつげんした。
という小冊子しょうさっしとなって世に残されたからである。「桐蔭軒」とは琵琶道場のわきに大きな桐の木があったのでその名があり「無言」は「無絃むげん」の意をもじったのではあるまいか。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不意の食事は此職業には有りがちなれば細君は騒ぎもせずくりやかたに退きて五分間とぬうち早や冷肉の膳を持出で二人の前に供したれば、二人は無言むげんの儘忙わしくべ初めしも
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
そしてそのまま、昏々こんこん夢現むげんの境にはいった頃、兄の姿はまた、前の夜と変りなく、彼の眼に見えた。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寝られぬまゝには更けぬ。時計一点を聞きてのちやうやく少しく眠気ねむけざし、精神朦々もう/\として我我われわれべんぜず、所謂いはゆる無現むげんきやうにあり。ときに予がねたるしつふすまの、スツとばかりに開く音せり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)