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むげん
ふりがな文庫
“
夢幻
(
むげん
)” の例文
脊から腰には二人の唐子が
手鞠
(
てまり
)
をついて遊んで居た。藤三は
夢幻
(
むげん
)
を追う思いで、今、彼の視野から消えた女体を、もう一度、網膜に描いた。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
余
(
よ
)
は
死
(
し
)
せるにあらぬかといふ、
夢幻
(
むげん
)
の
境
(
きやう
)
にさまよひ、
茫然
(
ばうぜん
)
として
動
(
うご
)
かずに
居
(
ゐ
)
る
後
(
うしろ
)
から、
突然
(
とつぜん
)
、一
箇
(
こ
)
の
黒影
(
くろかげ
)
が
出現
(
しゆつげん
)
した。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
雪の上に月が照り、空も、斜面も、林も、影も、なにもかも、みな真っ青で、まるで
夢幻
(
むげん
)
の世界のようだった。
キャラコさん:02 雪の山小屋
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
石鹸
(
シャボン
)
玉
泡沫
(
ほうまつ
)
夢幻
(
むげん
)
の世に楽を
為
(
せ
)
では損と帳場の金を
攫
(
つか
)
み出して
御歯涅
(
おはぐろ
)
溝
(
どぶ
)
の水と流す息子なりしとかや。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
兵馬には、その人が何の心あって、何の曲を吹いて来るのだかそれはわかりませんが、その音は柔和にして
濃
(
こま
)
やかな感情を含んでいる。なだらかにして
夢幻
(
むげん
)
の境を
辿
(
たど
)
るようである。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
冗談と云えば冗談だが、予言と云えば予言かも知れない。真理に徹底しないものは、とかく眼前の現象世界に束縛せられて
泡沫
(
ほうまつ
)
の
夢幻
(
むげん
)
を永久の事実と認定したがるものだから、少し飛び離れた事を
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夢
常用漢字
小5
部首:⼣
13画
幻
常用漢字
中学
部首:⼳
4画
“夢幻”で始まる語句
夢幻劇
夢幻化
夢幻境
夢幻界
夢幻織
夢幻泡沫
夢幻空華