“しゞま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
沈黙16.7%
無言16.7%
静寂16.7%
緘黙8.3%
8.3%
沈默8.3%
緘黙行8.3%
8.3%
靜寂8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
沈黙しゞまやぶりてひゞくまで——
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
無言しゞまつとめも此までぢや。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
えいツ、おうツ! えいツ、おうツ! と、あたりの静寂しゞまを破つて、凜々たる声が聞えてゐた。竹刀の音もなく、ひとりの懸声ばかりが澄み徹つて響いてゐた。
「学生警鐘」と風 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
だが山は、忽ち一時の騒擾から、元の緘黙しゞまをとり戻してしまつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
緘黙しゞまを破つて、却てもの寂しい乾声からごゑが響いた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
娘の書斎は倉と母屋の間にはさまつて、昼間でも薄暗く、縁の下まで伸びてゐる泉水に鯉の跳ねる音がしゞまを破るだけの静けさだつた。
繰舟で往く家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
沈默しゞまさと偶座むかひゐひとつのかうにふたいろ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
なつて居ても、物珍ものめでする盛りの若人たちには、口を塞いで緘黙行しゞまを守ることは、死ぬよりもつらいぎやうであつた。刀自らの油断を見ては、ぼつ/\話をしてゐる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さればむかしよりちゞみは此国の名産めいさんたりし事あきらけし。あんずるに、むかしの越後布は布の上ひんなる物なりしを、後々のち/\次第しだいたくみそへて糸によりをつよくかけてあせしのためしゞまおりたるならん。
山の湖のやうな、しかし底になにか無氣味なものを孕んでゐる靜寂しゞまのなかで、寢るまへの二三時間古賀は自分の考へをまとめようと努力しはじめた。——
盲目 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)