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どり
ふりがな文庫
“
鶏
(
どり
)” の例文
旧字:
鷄
マリーナ ぶちのめん
鶏
(
どり
)
が、ひよっ子を連れて、どこかへ行ってしまったんですよ。……
鴉
(
からす
)
にさらわれなけりゃいいが……(退場)
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
もう町には一番
鶏
(
どり
)
の声もする。暁は来ているのだ。——だのに、ここまでに至りながら、
肝腎
(
かんじん
)
かなめな上野介のすがたが見当らないとは!
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半蔵は江戸の旅を、景蔵らは京都の方の話まで持ち出して、寝物語に時のたつのも忘れているうちに、やがて一番
鶏
(
どり
)
が鳴いた。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
余儀なく寐返りを打ち溜息を
吻
(
つ
)
きながら眠らずして夢を見ている内に、一番
鶏
(
どり
)
が
唱
(
うた
)
い二番鶏が唱い、漸く
暁
(
あけがた
)
近くなる。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ある時は、月の落ちかかる頃になって、やっと来た。ある時は、
遠近
(
おちこち
)
の一番
鶏
(
どり
)
が啼く頃になっても、まだ来ない。
貉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
八蔵は農家の伜であるが、家には兄弟が多いので、彼は農業の片手間に飼い
鶏
(
どり
)
や
家鴨
(
あひる
)
などを売り歩いていた。
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一番
鶏
(
どり
)
が鳴く。まだ暗い午前三時の空気を、羽ばたきの音がゆるがせる。提灯をつけた大男が、長屋のせまい路地を走るように過ぎ、一軒々々、戸をたたいて、起して廻る。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
わたしの迷惑は第二としても、伊賀の源三郎——いいえ! この司馬道場の主の臣を、こんなおろかしいことで傷つけたくはありません。もう、一番
鶏
(
どり
)
のなくころでしょう。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一番
鶏
(
どり
)
であろう……
鶏
(
とり
)
の声が聞こえて、ぞっとした。——引手茶屋がはじめた鳥屋でないと、
深更
(
よふけ
)
に聞く、鶏の声の嬉しいものでないことに、読者のお察しは、どうかと思う。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「明日は大丈夫じゃ、この雲は夜中
比
(
ごろ
)
から晴れて、二番
鶏
(
どり
)
時分から風になるよ、
潮
(
しお
)
もなおるし、明日は日の高いうちに豊橋へ着く、今日のように、潮の悪いことはめったにない」
参宮がえり
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一番
鶏
(
どり
)
の啼き声がして、夜の深さを教えたが、まもなく啼きやんでひっそりとした。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
近くに寝ている女房が寝返りの音を聞いて気をもむことがあるかもしれぬと思うことで、床の中でじっとしているのもまた女王に苦しいことであった。一番
鶏
(
どり
)
の声も身に
沁
(
し
)
んで聞かれた。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
冬の朝の七ツ
刻
(
どき
)
ですから、ようやく三番
鶏
(
どり
)
が鳴いたか鳴かないのかまだまっくらいうちです。かくて道中、事も起こらずに増上寺へお着きとなれば、もうあとはたわいがないくらいでした。
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
今から一番
鶏
(
どり
)
が鳴くまでじっと眼をつぶっていろ。そうすれば眼が見えるようになる。おれはこれから二人の塩漬けの人間を生き上らせに行くんだ。邪魔をするとおれの
屁
(
へ
)
の音をきかせるぞ。
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
と不意にいつたものがありました、それは意地悪の婆さん
鶏
(
どり
)
でした。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
どこかで、もう、三番
鶏
(
どり
)
が、孤独そうに、時を告げていた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
自宅に帰って寝るころに一番
鶏
(
どり
)
の声をきいたと言っていたが、その清助も祭りの世話人の
一人
(
ひとり
)
であるところから
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
けれど、蝙蝠の
敏覚
(
びんかく
)
に、七たび八たびおなじことをくりかえしても、呂宋兵衛の努力はむなしかった。はやくも
里
(
さと
)
では一番
鶏
(
どり
)
がなく、かれは気が気でなくなった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これから相談をして、やめるなりなんなりいたしますが、
昨日
(
きのう
)
からかまえをして
今朝
(
けさ
)
は今朝で二番
鶏
(
どり
)
から起きて来ておりますし……」と、顎髯の男は云ったが腹の中では僧の
詞
(
ことば
)
を
嘲笑
(
あざわら
)
っていた。
岩魚の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
……今は夏だが福島の冬、それがまた素晴らしくよかったものだ。実際俺を考えさせてくれたよ。そうそうある時こんなことがあった、雪の降っていた真夜中に、夜啼き
鶏
(
どり
)
の声が聞こえて来たのさ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と一声、早い一番
鶏
(
どり
)
の鳴く音。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それを取り戻そうとして、
三
(
み
)
つや
表
(
おもて
)
から
畳石
(
たたみいし
)
の辺で双方のもみ合いが始まる。とうとうその晩は伊勢木を荒町に止めて置いて、一同疲れて家に帰ったころは一番
鶏
(
どり
)
が鳴いた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
城外いずくにか一番
鶏
(
どり
)
の声。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
中井
弘蔵
(
こうぞう
)
がその棺を持って大坂に帰り着いたころは、やがて一番
鶏
(
どり
)
が鳴いた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“鶏”の意味
《名詞》
(にわとり)セキショクヤケイの家畜亜種。最も代表的な家禽。
(とり)鶏肉の略称。
(出典:Wiktionary)
“鶏(ニワトリ)”の解説
ニワトリ(鶏、庭鳥、学名:Gallus gallus domesticus)は、キジ科に属する鳥類の1種で、代表的な家禽として世界中で飼育されている。
ニワトリを飼育することを養鶏と呼ぶ。
(出典:Wikipedia)
鶏
常用漢字
中学
部首:⿃
19画
“鶏”を含む語句
雄鶏
雛鶏
軍鶏
牝鶏
鶏鳴
闘鶏
鶏肉
家鶏
鶏舎
水鶏
矮鶏
鶏小舎
軍鶏籠
鶏卵
鶏頭
雌鶏
葉鶏頭
牡鶏
一番鶏
鶏小屋
...