今は何分にもまだその便宜がなく、たとえば支那南海を黒潮に乗ってという類の大胆な一説が、誰にも笑われずに闊歩する時代なのだから
そうして二人とも美しい顔をゆがめてチューインガムをニチャニチャ噛みながら白昼の都大路を闊歩しているのであった。
それからコケットリー、これは昔は男女ともに言ったが、今は専ら女のめかし歩くを指し、もと雄鶏が雌鶏にほれられたさに威張って闊歩するに基づく。
財産と生命が安固にして夜は戸を閉じなくとも高枕で眠り、他人と説を異にしていても大手を振って往来を闊歩する如きことこそ真の自由というものである。