鏡臺きやうだい)” の例文
新字:鏡台
刷毛ブラツシおとんでも中々なか/\でふからないので、またつてると、薄暗うすぐら部屋へやなかで、御米およねはたつた一人ひとりさむさうに、鏡臺きやうだいまへすわつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
鏡臺きやうだいや化粧道具がそろつて居て、まるで若い女の部屋のやうですが、昨夜受取つた手紙は言ふ迄もなく、手掛りになりさうなものは一つも無かつたのです。
美人びじん見惚みとるゝとて、あらうことか、ぐつたり鏡臺きやうだい凭掛もたれかゝつたと他愛たわいなさ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
午過ひるすぎかへつてると、御米およね金盥かなだらひなか雜巾ざふきんけて、六でふ鏡臺きやうだいそばいてゐた。其上そのうへところだけ天井てんじやういろかはつて、時々とき/″\しづくちてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
小六ころくかく都合つがふ次第しだい下宿げしゆくはらつてあにいへうつこと相談さうだん調とゝのつた。御米およねは六でふけたくは鏡臺きやうだいながめて、一寸ちよつとのこしいかほをしたが
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)