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おやこ
ふりがな文庫
“
親娘
(
おやこ
)” の例文
その頃、蝶子はまだ二つで、お辰が背負うて、つまり
親娘
(
おやこ
)
三人総出で、一晩に百個売れたと種吉は昔話し、喜んで手伝うことを言った。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
潤
(
うるほ
)
せしが此方に向ひてコリヤ娘必ず泣な我も泣じ
和女
(
そなた
)
を
育
(
そだ
)
て此年月
能
(
よき
)
婿
(
むこ
)
取んと思ふ所へ幸ひなるかなと今度の婚姻
無上
(
こよなき
)
親娘
(
おやこ
)
が悦びを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
平次はその様子を見定めると、又六の舌の動きを
滑
(
なめ
)
らかにするために、治兵衛お糸
親娘
(
おやこ
)
を、眼で追いやったことは言うまでもありません。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いずれ劣らぬ美しい上品な
親娘
(
おやこ
)
が、
訪
(
おとな
)
う人も来る人もない淋しい山の中の一軒家で、一体、何をしているのでしょう? そして、形も崩さず
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
それを、
親娘
(
おやこ
)
と気どられないように、かげにあって守りとおさねばならなかった。おさよの苦心はいかばかりであったろう。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
が、いまとなってみると、魚松の
親娘
(
おやこ
)
には、気のどくな目に遭わせたことになる。もし、お次が暇を出された理由が、林助のためであるとすれば?
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
口紅を買うて帰ってやったとか……やらぬとか……まことに可哀相とも何とも
申様
(
もうしよう
)
の無い哀れな
親娘
(
おやこ
)
で御座いましたが
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そして片山助役は、翌日から彼の言明通り、あの陰気な十方舎の
親娘
(
おやこ
)
の身辺に関して、近隣の住人やその他に依る熱心な聞き込み調査を始めたんです。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
グラグラと体が傾ぎ、前のめりにのめったかと思うと、もう
親娘
(
おやこ
)
は抱き合っていた。しばらくは二人のすすり泣きの声が、しずかな夜の中に震えて聞こえた。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
就中
(
なかんずく
)
琵琶
(
びわ
)
に
堪能
(
たんのう
)
で、娘に手をひかれながら、宿屋々々に請ぜられて、
安
(
やすら
)
かに、
親娘
(
おやこ
)
を過ごすようになった。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの若い紳士は例の
親娘
(
おやこ
)
と一緒に劇場を出たが、おれは少し離れて、三人のあとから玄関口を抜けた。
道化者
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
窖
(
あなぐら
)
のような小屋の中で、この不健康な
親娘
(
おやこ
)
はもはやどうすることもできなくなっていた。一台の荷車を売ったその金が、わずかに二人の生命を
繋
(
つな
)
いでいるだけであった。
或る嬰児殺しの動機
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
瞬
(
またた
)
く間に白露窮民の無料宿泊所と化したのであるが、一時は堂に溢れた
亡命者
(
エミグラント
)
達も、やがて日本を一人去り二人去りして、
現在
(
いま
)
では堂守のラザレフ
親娘
(
おやこ
)
と
聖像
(
アイコン
)
を残すのみになってしまった。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
三百八十両を取り返したのは、彦兵衛お富の
親娘
(
おやこ
)
の手柄と判って、徳之助の家督相続にも、お富との祝言にも、今は文句を言う人もありません。
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一日、二日とする内に——彼等は全く二人きりの寂しい
親娘
(
おやこ
)
であって、
生計
(
くらし
)
は豊かでなく近所の
交際
(
つきあい
)
もよくない事。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
「おのおの方、とうとう
親娘
(
おやこ
)
の旅の者が引っかかりましたぞ。しかも、美しい母と、あどけない女の子で。これでわれわれの大任もおりたというもの」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この問題に限ってチョット
突
(
つっ
)
つくと直ぐに止め度もなくペラペラと
喋舌
(
しゃべ
)
り出しやがるんだ。どう見ても普通の
親娘
(
おやこ
)
じゃありません……と熱烈に主張するんだ
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
夕餉
(
ゆうげ
)
の
一刻
(
ひととき
)
には、
親娘
(
おやこ
)
して、そっと、
土器
(
かわらけ
)
で杯が酌みかわされ、桔梗の母なる
媼
(
おうな
)
は、瞼をぬぐい通していた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
通りを一つ過ぎたと思うとすぐに、簡素な
正面
(
ファサアド
)
を持った、ある大きな家の前に立ち止った。と、じきに
親娘
(
おやこ
)
は、心をこめて、その連れに別れを告げたのち、姿を消してしまった。
道化者
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
今ぞ
親娘
(
おやこ
)
が一生の別れ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あとに残ったおさよお
艶
(
つや
)
の
親娘
(
おやこ
)
の身の振り方については、鍛冶富ともよく談合したうえ、おさよ婆さんのほうは
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
御主人と
忍
(
しのぶ
)
さんは、決して仲の良い
親娘
(
おやこ
)
ぢやないけれど、お道坊が飛び込んで來たのも無理はありません。
銭形平次捕物控:322 死の秘薬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ゆうべポッキリと、
閻
(
えん
)
の
老爺
(
おやじ
)
が亡くなりましてね。……酒のみで、
歌謡狂
(
うたきちが
)
いといわれた道楽者じゃござんしたが、あれでも
親娘
(
おやこ
)
三人ぐらしの
稼
(
かせ
)
ぎ
人
(
て
)
だったんでございますよ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どこに在ってもいいじゃないの……とにかく貴方は今度だけ御客様よ。招待券の二三枚ぐらい上げてもいいわ……ホホ……神戸の後家さん
親娘
(
おやこ
)
でも引っぱってらっしゃい」
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もっとも、梶
親娘
(
おやこ
)
が向柳原に引っ越して来たのは、ツイこの春で逢う機会がなかったせいもあるでしょう。
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そういう時こそ、
親娘
(
おやこ
)
が秘密なささやきをするのではないかと、気を廻してのび上がッた途端に、床板から出ている
錆釘
(
さびくぎ
)
の先へ、コツンと頭をぶつけたのは、痛いともいえぬ災難でした。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親娘
(
おやこ
)
三人づれで上方の旅へ出かけるとき、ほんの
赤児
(
あかご
)
でごぜえましたから、いま成人していらっしゃれば、顔を見てもわかるわけはねえのですが、なに、あの古石場にいなすった娘さんなら
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「さようで……あの斬られたお熊さんと十五違いぐらいで御座いましょうか……いつもお二人で仲よく
当寺
(
こちら
)
へお参りになりましたもので、
他目
(
よそめ
)
には実の
親娘
(
おやこ
)
としか見えませぬくらい仲が宜しゅう御座いましたが……南無南無南無……」
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
越前屋へ着くと、親類方がみんな集まって、勝造
親娘
(
おやこ
)
、菊之助夫婦、徳三郎などと一緒に、仏壇から取出した瓶を睨んで平次の来るのを待っているところでした。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ご大切な
宝物
(
ほうもつ
)
とやらを、父とわたくしとで、お
預
(
あず
)
かりもうしておりましたが、そのために、
親娘
(
おやこ
)
の者が、ひとかたならぬ
難儀
(
なんぎ
)
をいたしておりますゆえ、きょう、お通りあそばしたのを
幸
(
さいわ
)
い
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「与力笹野新三郎、上様の御姿を拝借して、そのほう
親娘
(
おやこ
)
の企みを見破りに参ったのだ。神妙にしろ」
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
酒楼
(
さかば
)
あるきの歌唄いの
親娘
(
おやこ
)
なんでございますがね」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「與力笹野新三郎、上樣の御座を拜借して、其方
親娘
(
おやこ
)
の
企
(
たく
)
らみを見破りに參つたのだ。神妙にしろ」
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
狙
(
ねら
)
はれてゐるのはその娘ぢやありません、蝦蟇の方で、——尤もあの綺麗な娘は養ひ娘なんだ相で、本當の
親娘
(
おやこ
)
があんなに相好が違つちや、神樣の惡戯が過ぎまさア」
銭形平次捕物控:273 金の番
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
案じて、一生
親娘
(
おやこ
)
の名乗をしない約束か何かで、金をつけて閑斎にやったに違いあるまい
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、勝造さん
親娘
(
おやこ
)
と、菊之助さん夫婦は、何を
企
(
たくら
)
むか、解つたものぢや御座いません。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、勝造さん
親娘
(
おやこ
)
と、菊之助さん夫婦は、何を企むか、解ったものじゃございません。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから一と月、江戸は青葉の風
薫
(
かを
)
る頃となりました。三百八十兩を取り返したのは、彦兵衞お富の
親娘
(
おやこ
)
の手柄と判つて、徳之助の家督相續にも、お富との祝言にも、今は文句を言ふ人もありません。
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それぢや、あの梶原
親娘
(
おやこ
)
が——」
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「山脇玄内
親娘
(
おやこ
)
ですよ」
銭形平次捕物控:096 忍術指南
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
親
常用漢字
小2
部首:⾒
16画
娘
常用漢字
中学
部首:⼥
10画
“親娘”で始まる語句
親娘連