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薩張
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さっぱ
ふりがな文庫
“
薩張
(
さっぱ
)” の例文
炭の中継場であろう。源次郎に聞くとシャンゴロだと教えた、何の事やら
薩張
(
さっぱ
)
り分らない、南日君が三五郎だと説明して
呉
(
く
)
れる。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
またパンの
欠片
(
かけら
)
や
蜜柑
(
みかん
)
の皮といった食物まで運ばれていた——など、何が何やら、彼にとって
薩張
(
さっぱ
)
り訳の判らないことであった。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
腎臓病の青膨れのまま
駈着
(
かけつ
)
けて来た父親の乙束区長がオロオロしているマユミを
捉
(
つかま
)
えて様子を
訊
(
き
)
いてみたが
薩張
(
さっぱ
)
り要領を得ない。
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
父は祖母とは
全
(
まる
)
で違っていた。
如何
(
どう
)
して此人の腹に
此様
(
こん
)
な人がと怪しまれる程の好人物で、
面
(
かお
)
も
薩張
(
さっぱ
)
り似ていなかった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「解らん、
薩張
(
さっぱ
)
り見当も付かない、——俺は上った覚えもないし、たった
一
(
ひ
)
と晩で、こんなに下手になる筈もない」
天才兄妹
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
母「お前さまのような
薩張
(
さっぱ
)
りした御気性だから口へはお出しなさらないが、腹の
中
(
うち
)
では
嘸
(
さぞ
)
御愁傷でございましょう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私はその時自分の考えている通りを
直截
(
ちょくせつ
)
に打ち明けてしまえば好かったかも知れません。しかし私にはもう
狐疑
(
こぎ
)
という
薩張
(
さっぱ
)
りしない
塊
(
かたま
)
りがこびり付いていました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし彼らはおたがいに心にためてあったものを、こういう機会に話し合ったことでかつてないほど顔の色も
弛
(
ゆる
)
み、どこか、
薩張
(
さっぱ
)
りしたはればれしたところさえあった。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
彼の令嬢を付狙っていて殺された男、その加害者? の
肥満
(
ふと
)
った男、その男に魔睡薬を用いて逃去ったあの令嬢と老婦人、そう考えてくると私には
薩張
(
さっぱ
)
り訳が分らなくなる。
日蔭の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
電車に乗っている人を見ると、歯をちゃんと磨いている人があまり多く見受けられない。
頭髪
(
かみ
)
を延ばしているのかいないのか、分けているのかいないのか
薩張
(
さっぱ
)
り
判
(
わか
)
らない人がいる。
独居雑感
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それでいて
薩張
(
さっぱ
)
りして活溌な書生さんでもあったろう。彼女はその客情人の若旦那や取巻き芸者と共にわたしをも引具して諸処で友だち芸妓の開いているお座敷へ遊びの他流試合に行く。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
三次郎 え、
薩張
(
さっぱ
)
りそんな話は聞きません。
中山七里 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
科学者には、何のことだか
薩張
(
さっぱ
)
りわからなかったが、数回反読する事によって、液体の沈降に及ぼす外力が泥鰌であることを了解し過ぎるほど了解した。
科学者と夜店商人
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
助七は長い間釣に余念も無かったが、とうとう尺許の岩魚を一尾釣り上げた。過日の洪水に流されて魚は
薩張
(
さっぱ
)
り居なくなったという。五時頃雨が降って来たが間もなく
歇
(
や
)
んだ。
黒部川を遡る
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
お前さんの云う事は何んだか
薩張
(
さっぱ
)
り分りませんが、
男女
(
なんにょ
)
とも此の儘何うも捨置く事は出来ません、御意見に背くようですが親父の前へ対しても
打棄
(
うっちゃ
)
っちゃア置かれませんから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
薩張
(
さっぱ
)
り
理由
(
わけ
)
が解らず、もしや王様から大層な急用でも仰せ付かったのではあるまいか。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
追ってパラメントヒルへ出掛けた事といい、私には何が何だか
薩張
(
さっぱ
)
り
了解
(
わか
)
りません
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
今日は
如何
(
どう
)
したのか頭が重くて
薩張
(
さっぱ
)
り書けん。
徒書
(
むだがき
)
でもしよう。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その姿は、本当には
薩張
(
さっぱ
)
り見えないのだ。それにも
拘
(
かかわ
)
らず、見えない横丁に歩いている人間の姿が見えたような気がした。いや、
矢張
(
やは
)
りハッキリと見えたのだ。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
コレラに成るのかと思ったと云うは、悪いお刺身の少しベトつくのを喰べたから、
便所
(
ちょうずば
)
へ二度も
往
(
い
)
きゃア大丈夫だと思ってると一日経つとサバ/\熱が取れて
薩張
(
さっぱ
)
り
癒
(
なお
)
って仕舞ったから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私にはこうしたスランプの
因
(
よ
)
って来るソモソモが
薩張
(
さっぱ
)
りわからないのです。書きたい事は山積していながら書けない。ペンを奪われて絶海の孤島に罪流されたような
自烈度
(
じれった
)
さ。つまらなさ。淋しさ。
スランプ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
然
(
しか
)
し何がマズイのかは私にも
薩張
(
さっぱ
)
り見当はついていないのだ。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
何故
(
なぜ
)
ならば、僕が同伴して来た三人の将校達は、
多分
(
たぶん
)
仏蘭西語
(
フランスご
)
と思われる外国語で話をしつづけました。
幸
(
こう
)
か
不幸
(
ふこう
)
か、仏蘭西語は僕には何のことやら
薩張
(
さっぱ
)
り意味が判りません。
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
蚊の多いに
蚊帳
(
かや
)
もなし、
蚊燻
(
かいぶ
)
しもなし、暗くって
薩張
(
さっぱ
)
り分りません。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鳥渡
(
ちょっと
)
悪魔のような、また工場の隅から飛び出してきた職工のような恰好である。それほどアリアリと
眺
(
なが
)
められる人の姿でありながら、一度元の
肉眼
(
にくがん
)
にかえると、
薩張
(
さっぱ
)
り見えない。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
貴方は警視庁の調書まで読まれたそうですが、
薩張
(
さっぱ
)
り満足せられていないように見受けたと、尾形警部が言っていましたよ。尾形警部と言えば、赤耀館事件の取調主任であった人です。
赤耀館事件の真相
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
薩
漢検準1級
部首:⾋
17画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“薩”で始まる語句
薩摩
薩摩芋
薩摩絣
薩州
薩摩下駄
薩埵
薩長
薩摩琵琶
薩
薩埵峠