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たておやま
ふりがな文庫
“
立女形
(
たておやま
)” の例文
と、肩幅広く、
塘堤
(
どて
)
ぶちへ
顕
(
あら
)
はれた。
立女形
(
たておやま
)
が出たから、心得たのであらう、船頭め、かんてらの
灯
(
ひ
)
を、其の胸のあたりへ
突出
(
つきだ
)
した。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
もとの
吉田玉造
(
よしだたまぞう
)
とか
桐竹紋十郎
(
きりたけもんじゅうろう
)
とか言ったような老人が
上下
(
かみしも
)
を
著
(
つ
)
けて、
立役
(
たちやく
)
とか
立女形
(
たておやま
)
とかの人形を使っておったものであるが
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
立女形
(
たておやま
)
の顔が文楽座のはふっくらと円みがあるのに、此処のは普通の京人形やお
雛
(
ひな
)
様のそれのように
面長
(
おもなが
)
で、冷めたい高い鼻をしている。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
立女形
(
たておやま
)
ではないけれど、顔と身体の圧倒的な美しさが、特殊の人気を呼んで、一座の女優中でも、二番目ぐらいには
羽振
(
はぶ
)
りのよい名前になっていた。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
千石取の旗本某の
妾
(
めかけ
)
になり、三轉四轉して、有名な
立女形
(
たておやま
)
中村某の家に押掛女房になつたりして居ました。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
恥ずかしそうに身をくねらせながら、
鬘下地
(
かつらしたぢ
)
の
艶
(
えん
)
な姿を見せたのは、上方下りの
立女形
(
たておやま
)
上村吉三郎でした。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それは座頭の俳優ばかりでなく、
中軸
(
なかじく
)
や書出しや
立女形
(
たておやま
)
や
庵
(
いおり
)
などの位地に坐っている主なる俳優が皆それであるから、真偽
混淆
(
こんこう
)
でずいぶん困らせられたものである。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
立女形
(
たておやま
)
が嵐みんし、娘形が寿三郎のせがれ鶴松(後米蔵)で、幹部はたいてい落武者や不平組。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
そんなにお若くて
立女形
(
たておやま
)
になられた俳優のお話は昔から一つも伝わっていないこと。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
路考さん、あっしはいつか一度言おうと思っていたんだが、いくら
立女形
(
たておやま
)
の
名代
(
なだい
)
のでも、あんたのやり方は少し
阿漕
(
あこぎ
)
すぎると思うんだ。薄情もいい浮気もいいが、いい加減にしておかないと、いずれ悪い目を
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
けれども又、
立女形
(
たておやま
)
の川原までが
虎
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
はじめて、白玉のごとき姿を顕す……一
人
(
にん
)
の
立女形
(
たておやま
)
、撫肩しなりと
脛
(
はぎ
)
をしめつつ
褄
(
つま
)
を取った
状
(
さま
)
に、
内端
(
うちわ
)
に
可愛
(
かわい
)
らしい足を運んで出た。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
千石取の旗本某の
妾
(
めかけ
)
になり、三転四転して、有名な
立女形
(
たておやま
)
中村某の家の押掛女房になったりしていました。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
このふたりは団十郎菊五郎という格で、殊に藤沢は
女形
(
おんながた
)
を勤めるので一座の
立女形
(
たておやま
)
とも見られていた。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
郷に
入
(
い
)
ったら郷に従えだと、講釈で聞いたんですが、いかな
立女形
(
たておやま
)
でもあの舞台じゃあ
睨
(
にらみ
)
が利かねえ、それだから飛んだ目に逢うんでさ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
せがれの福助は歌舞伎座で
立女形
(
たておやま
)
ともいうべき地位を占めているにもかかわらず、かれは旅廻りや小芝居廻りの俳優となって、公園の宮戸座や、赤坂の演伎座などへも出勤するようになった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
立女形
(
たておやま
)
、あの花形に、蝶蜂の
群衆
(
たか
)
った中には交らないで、ひとり、
束髪
(
たばねがみ
)
の水際立った、この、かげろうの姿ばかりは、独り寝すると思ったのに——
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは、さもありそうな事で、一座の
立女形
(
たておやま
)
たるべき娘さえ、十五十六ではない、
二十
(
はたち
)
を三つ四つも越しているのに。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒縮緬の雪女は、さすが一座に
立女形
(
たておやま
)
の見識を取ったか、島田の一さえ、
端然
(
きちん
)
と済まして口を利こうとしないので、美しい
女
(
ひと
)
はまた青月代に、そう
訊
(
き
)
いた。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
劇中の
立女形
(
たておやま
)
に
扮
(
ふん
)
するものを、路之助として、
技
(
ぎ
)
の意見、相背き、
相衝
(
あいつ
)
いて反する時、「ふん、おれの
情婦
(
いろ
)
ともしらないで。……何、人情がわかるものか。」
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
檜舞台の
立女形
(
たておやま
)
と
私等
(
わっしら
)
みたような涼み芝居の三下が
知己
(
ちかづき
)
ッてのも
凄
(
すさま
)
じいんですが、失礼御免で、まあ横ずわりにでもなって、口を利くのには
仔細
(
しさい
)
がなくッちゃあなりませんとも。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(泣くな、わい等、)と
喚
(
わめ
)
く——君の親方が
立女形
(
たておやま
)
で満場水を打ったよう、千百の見物が、目も口も頭も肩も、幅の広いただ一
人
(
にん
)
の形になって、
啜泣
(
すすりな
)
きの声ばかり、誰が持った
手巾
(
ハンケチ
)
も
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
京町の交番に新任のお
巡査
(
まわり
)
さん——もっとも、
角海老
(
かどえび
)
とかのお職が命まで打込んで、
上
(
あが
)
り藤の金紋のついた手車で、楽屋入をさせたという、新派の
立女形
(
たておやま
)
、二枚目を兼ねた藤沢浅次郎に
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて壇に登るべき
立女形
(
たておやま
)
に対して
目触
(
めざわ
)
りだ、と逸早く
取退
(
とりの
)
けさせ、
樹立
(
こだち
)
さしいでて蔭ある水に、例の
鷁首
(
げきしゅ
)
の船を
泛
(
うか
)
べて、半ば紫の幕を絞った
裡
(
うち
)
には、鎌倉殿をはじめ、客分として、県の顕官
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
底知れずの水に浮いた
御幣
(
ごへい
)
は、やがて壇に登るべき
立女形
(
たておやま
)
に対して
目触
(
めざわ
)
りだ、と
逸早
(
いちはや
)
く
取退
(
とりの
)
けさせ、
樹立
(
こだち
)
さしいでて
蔭
(
かげ
)
ある水に、例の
鷁首
(
げきしゅ
)
の船を
泛
(
うか
)
べて、
半
(
なか
)
ば
紫
(
むらさき
)
の幕を絞つた
裡
(
うち
)
には、鎌倉殿をはじめ
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
“立女”で始まる語句
立女役