眞劍しんけん)” の例文
新字:真剣
で、私は異郷いきやうに遠く旅出たびでしてながらあんまり出歩くこともせずに、始終しじう机に向つてはその執筆に專心せんしんした。私は眞劍しんけんに、純眞じゆんしんに努めつづけた。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
だい一は、國民こくみん眞劍しんけん生命せいめい財産ざいさん尊重そんてうするにいたることである。生命せいめい毫毛こうもうよりもかろんじ、財産ざいさん塵芥ぢんかいよりもけがらはしとする時代じだいにおいては、地震ぢしんなどは問題もんだいでない。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
それほど眞劍しんけんにやるべきものをと、宗助そうすけ昨夜さくやからの自分じぶんが、なんとなくづかしくおもはれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「ほんとにあたし眞劍しんけんつてるのよ。おねがひですから、子供こどもにだけは、子供こどもにだけはみじめなおもひをさせないやうにね」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
地震ぢしん考慮かうりよするやうになつたのは、各個人かくこじん眞劍しんけん生命せいめい財産ざいさん尊重そんてうするやうになり、都市とし發達はつたつ科學思想くわがくしさう普及ふきふしてからのことで、ちかく三百年來ねんらいのこととおもはれる。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
おくさんははり無意識むいしきなやうにひざに休めて、ほの白んだ、硬つたかほを青木さんのはうに向けながら、眞劍しんけんこゑでいつた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
國民こくみんはこゝにおいてか眞劍しんけん耐震的建築たいしんてきけんちく大成たいせい絶叫ぜつけうしつゝあるのである。(完)
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
正に骨味ほねみけづるが如くあれほどひつ死に眞劍しんけんあらそたゝかはなければならないとは! さう言えば、むかしあらそ將棋せうきやぶれていて死んだわか棋士きしがあつた。
はち眞劍しんけんさが、その子供こどもたいする用意周到よういしうたうさがなに皮肉ひにくむねびかけてゐるやうな氣持きもちだつた。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
その眞劍しんけんさにたれて、をつとはそんなことかんがへつづけながら、ぢつとひとみらしてゐた。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)