目先めさき)” の例文
竹童はまったくの不意打ち、なにを叫ぶもなく、ねかえそうとしたが、はやくも、甲虫の短刀が、ギラリと目先めさきへきて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、としわかいし、げい達者たっしゃであるところから、作者さくしゃ中村重助なかむらじゅうすけしきりにかたれて、なに目先めさきかわった狂言きょうげんを、させてやりたいとのこころであろう。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
かれ老躯らうく日毎ひごと空腹くうふくから疲勞ひらうするため食料しよくれう攝取せつしゆするわづか滿足まんぞく度毎たびごと目先めさきれてるかれらつしてところみちびいてるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
翌日よくじつがたのことです。おとこが、きゃくのために石油せきゆはかっていると、不意ふい目先めさきをすったものがある。
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょっと、いままでの試合しあい目先めさきがかわったので、見物けんぶつはよろこんだ。大きな弥次やじのこえが、高いの上ではりあげている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
種々いろ/\状態じやうたい明瞭はつきり目先めさきにちらついてしみ/″\とかなしいやうつてたりして猶更なほさら僂麻質斯レウマチス疼痛いたみがぢり/\と自分じぶん身體からだ引緊ひきしめてしまやうにもかんぜられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すると、すぐ目先めさきに、てつのさくにりかかって、さっきた六つばかりのおとこが、しくしくいていました。これをると、おじいさんはびっくりしてしまいました。
雪の上のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)