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疎末
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そまつ
ふりがな文庫
“
疎末
(
そまつ
)” の例文
その時女房に勘当されたが、やっとよりが戻って以来、金目な物は重箱まで残らず出入先へ預けたから、家には似ない調度の
疎末
(
そまつ
)
さ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
秋
(
あき
)
の
盆
(
ぼん
)
には
赤痢
(
せきり
)
の
騷
(
さわ
)
ぎも
沈
(
しづ
)
んで
新
(
あたら
)
しい
佛
(
ほとけ
)
の
數
(
かず
)
が
殖
(
ふ
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
墓地
(
ぼち
)
には
掘
(
ほ
)
り
上
(
あ
)
げた
赤
(
あか
)
い
土
(
つち
)
の
小
(
ちひ
)
さな
塚
(
つか
)
が
幾
(
いく
)
つも
疎末
(
そまつ
)
な
棺臺
(
くわんだい
)
を
載
(
の
)
せて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「ナニ今日はあんなお嬢様然とした風をしているけれども、
家
(
うち
)
にいる時は
疎末
(
そまつ
)
な
衣服
(
なり
)
で、
侍婢
(
こしもと
)
がわりに使われているのです」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
大学の椅子さえ抛つくらいだから、七
志
(
シルリング
)
の御弟子を
疎末
(
そまつ
)
にするのは無理もない。先生の頭のなかにはこの字典が終日終夜
槃桓磅礴
(
ばんかんほうはく
)
しているのみである。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは国道から西へ十町ばかり登った赤松という部落にあり、明らかに古材を持って来て急造したらしい
疎末
(
そまつ
)
な、しかしがっちりした三棟の建物から成っていた。
花咲かぬリラ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
いま花魁の出ているは矢ッ張り
軍艦
(
ふね
)
のお客で、今夜は
二回
(
うら
)
をかえしにお出でなされたんでげすから、
疎末
(
そまつ
)
にはしない、
頻
(
しき
)
りに
一昨夜
(
おとついのばん
)
の
不勤
(
ふづとめ
)
を詫していると、
新造
(
しんぞ
)
が廊下から
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼
(
かれ
)
が
自分
(
じぶん
)
の
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
つた
時
(
とき
)
は、
古
(
ふる
)
い
煤
(
すゝ
)
だらけの
疎末
(
そまつ
)
な
建築
(
けんちく
)
は
燒盡
(
やきつく
)
して
主要
(
しゆえう
)
の
木材
(
もくざい
)
が
僅
(
わづか
)
に
焔
(
ほのほ
)
を
吐
(
は
)
いて
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
火
(
ひ
)
は
尚
(
な
)
ほ
執念
(
しふね
)
く
木材
(
もくざい
)
の
心部
(
しんぶ
)
を
噛
(
か
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
老母
(
ばあさん
)
は
待
(
ま
)
ち
構
(
かま
)
へてゞも
居
(
ゐ
)
たやうに
小風呂敷
(
こぶろしき
)
の
包
(
つゝみ
)
を
解
(
と
)
いて
手織
(
ており
)
のやうに
見
(
み
)
える
疎末
(
そまつ
)
な
反物
(
たんもの
)
を
出
(
だ
)
して
手柄相
(
てがらさう
)
に
見
(
み
)
せた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
疎
常用漢字
中学
部首:⽦
12画
末
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
“疎”で始まる語句
疎
疎林
疎々
疎遠
疎開
疎忽
疎髯
疎漏
疎隔
疎懶