狩倉かりくら)” の例文
なんぢおとにもきつらん、白山はくさん狩倉かりくらに、大熊おほくま撲殺うちころした黒坂備中くろさかびつちうはういま自分じぶんちからためさん、いざふれなんぢ力競ちからくらべをしてやうか。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いくさとくらべると事はずっと小さいが、人が家々から出て大きな働きをするという点で、よく似ているものには狩倉かりくらがあった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
神官達の案内で、頼朝よりとも狩倉かりくらのあとをただし、白糸の滝を見物し、また、しばし浮島うきしまはらに馬を立てて、うすずく夕富士にわかれを告げながら、やがて大宮の宿駅しゅくえきへさしてこの行軍はゆるやかに流れていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これでも、きょうの狩倉かりくらへいらっしゃいますの
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
昔から物語の本にもある、屋のむねへ白羽の征矢そやが立つか、さもなければ狩倉かりくらの時貴人あでびとのお目にとまって御殿ごてん召出めしだされるのは、あんなのじゃとうわさが高かった。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この生産団体を名づけて昔はこれを狩倉かりくらといいこの地方ではカクラともいった。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
むかしから物語ものがたりほんにもある、むね白羽しらは征矢そやつか、もなければ狩倉かりくらとき貴人あてびとのおまつて御殿ごてん召出めしだされるのは、那麼あんなのぢやとうはさたかかつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これは越前ゑちぜん名代なだい強力がうりき一日あるひ狩倉かりくら大熊おほくま出逢であひ、てるやりくまのために喰折くひをられこと鉄拳てつけんげてくまをば一けんもと打殺うちころしこの勇力ゆうりよくはかくのごとくであるとくまかは馬標うまじるしとした。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)