“活(くわつ)” の例文
敗(やぶ)れたる專(せん)門棋士(きし)の胸(けう)中や果(はた)して如何に? どんな勝負(せうふ)事も背(はい)後に生活(くわつ)問題(もんだい)が裏(うら)附けるとなれば一そう尖鋭化(せんえいくわ)してくる事は明かだが
殘念(ざんねん)でならぬので、自分(じぶん)の持場(もちば)を一生懸命(しやうけんめい)に掘(ほ)つたけれど、何(なに)も出(で)ない。幻子(げんし)の大成功(だいせいかう)に引替(ひきか)へて大失敗(だいしつぱい)。活(くわつ)望(ぼう)二子(し)も茫然(ばうぜん)として了(しま)つた。
旗野の主人(あるじ)は血刀(ちがたな)提(ひつさ)げ、「やをれ婦人(をんな)、疾(と)く覚めよ」とお村の肋(あばら)を蹴返(けかへ)せしが、活(くわつ)の法(はふ)にや合(かな)ひけむ、うむと一声(ひとこゑ)呼吸(いき)出(い)でて、あれと驚き起返(おきかへ)る。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
活(くわつ)を入れたやうに騷ぎ始めましたが、その時はもう、佐久間町二丁目の兩替屋伊勢屋の大物置、土藏代りの板圍ひの建物が、大分焔(ほのほ)に包まれ、中には煙に卷かれた娘——紛(まぎ)れもない妹娘のお糸が
よし 一つ活(くわつ)を入れてやれ
とにかくその初(はじ)めは切實(じつ)な人間生活(くわつ)の慰樂(いらく)として遊(あそ)びとして創(つく)り成された將棋(せうき)に違(ちが)ひないと思(おも)ふが、それを慰樂(いらく)や遊(あそ)びの域(いき)を遙に越(こ)えて
而(しか)もジリリと心にかぶさつてくる生活(くわつ)問題(もんだい)の重壓(あつ)を一方に擔(にな)ひながら、寧(むし)ろより悲壯(ひそう)な戰(たゝか)ひを戰(たゝか)つてゐると見られぬ事はない。