トップ
>
水茶屋
>
みずぢゃや
ふりがな文庫
“
水茶屋
(
みずぢゃや
)” の例文
顎十郎は、依然として無言のまま、先に立って弥太堀から横丁へ折れこみ、大きな料理屋のすじむかいの
水茶屋
(
みずぢゃや
)
の中へ入ってゆく。
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
しかし、いかにおとなしいと言っても、もともとが
水茶屋
(
みずぢゃや
)
の女である以上、ひと通りのお世辞や冗談ぐらいが言えないのではない。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは「ひやっこい/\」の水売で、処々にあった
水茶屋
(
みずぢゃや
)
というのは別なもの、今の
待合
(
まちあい
)
です。また貸席を兼ねたものです。
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
福岡市外
水茶屋
(
みずぢゃや
)
の何とかいう、気取った名前の裁縫女塾に通っていたが、その間には子供を生まなかったように見える。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それに
引
(
ひ
)
き
換
(
か
)
えあたしゃそこらに
履
(
は
)
き
捨
(
す
)
てた、
切
(
き
)
れた
草鞋
(
わらじ
)
もおんなじような、
水茶屋
(
みずぢゃや
)
の
茶汲
(
ちゃく
)
み
娘
(
むすめ
)
。
百夜
(
ももよ
)
の
路
(
みち
)
を
通
(
かよ
)
ったとて、お
前
(
まえ
)
に
逢
(
あ
)
って、
昔話
(
むかしばなし
)
もかなうまい。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
なるほど涼しい風は絶えず梢の間から
湧
(
わ
)
き起って軽く人の
袂
(
たもと
)
を動かすのに種彦もいつか門人らと並んで、思掛けない
水茶屋
(
みずぢゃや
)
の
床几
(
しょうぎ
)
に腰を下し
草臥
(
くたぶれ
)
た
歩
(
あゆみ
)
を休ませた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この屋根の
箱棟
(
はこむね
)
には雁が五羽
漆喰
(
しっくい
)
細工で塗り上げてあり、立派なものでした(雁鍋の先代は
上総
(
かずさ
)
の
牛久
(
うしく
)
から出て
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
で
紫蘇飯
(
しそめし
)
をはじめて仕上げたもの)。隣りに天野という大きな
水茶屋
(
みずぢゃや
)
がある。
幕末維新懐古談:19 上野戦争当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
貝殻
(
かいがら
)
散りたる深川の
新道
(
しんみち
)
に峰次郎が窓の竹格子を
間
(
あいだ
)
にしてお房と相語る処(『梅見船』巻九)また
柳川亭
(
やながわてい
)
といへる
水茶屋
(
みずぢゃや
)
店先の図(『梅見船』巻十)を挙ぐべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
去年
(
きょねん
)
の
梅見時分
(
うめみじぶん
)
から
伊勢新
(
いせしん
)
の
隠居
(
いんきょ
)
の
骨折
(
ほねお
)
りで、
出
(
だ
)
させてもらった
笠森稲荷
(
かさもりいなり
)
の
水茶屋
(
みずぢゃや
)
が
忽
(
たちま
)
ち
江戸中
(
えどじゅう
)
の
評判
(
ひょうばん
)
となっては、
凶
(
きょう
)
が
大吉
(
だいきち
)
に
返
(
かえ
)
った
有難
(
ありがた
)
さを、
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
喜
(
よろこ
)
ぶより
外
(
ほか
)
になく
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
現
釜山
(
ふざん
)
日報主筆、篠崎昇之助氏、その他、
水茶屋
(
みずぢゃや
)
券番
(
けんばん
)
の馬賊五人組芸者として天下に勇名を轟かしたお
艶
(
えん
)
、お浜、お秋、お楽、等々その中心の正座が勿体なくも枢密院顧問
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
本郷玉川の
水茶屋
(
みずぢゃや
)
をしていた
鵜飼三二
(
うがいさんじ
)
さんなどもこの仲間で、玉川の三二さんは、
活
(
い
)
きた字引といわれ、後には得能さんの顧問役のようになって、毎日友人の間を歴訪して遊んでいました。
諸国の玩具:――浅草奥山の草分――
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
その
木陰
(
こかげ
)
に
土弓場
(
どきゅうば
)
と
水茶屋
(
みずぢゃや
)
の
小家
(
こいえ
)
は幾軒となく低い
鱗葺
(
こけらぶき
)
の屋根を並べているのである。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
当時
(
とうじ
)
江戸
(
えど
)
では一
番
(
ばん
)
だという、その
笠森
(
かさもり
)
の
水茶屋
(
みずぢゃや
)
の
娘
(
むすめ
)
が、どれ
程
(
ほど
)
勝
(
すぐ
)
れた
縹緻
(
きりょう
)
にもせよ、
浪速
(
なにわ
)
は
天満天神
(
てんまんてんじん
)
の、
橋
(
はし
)
の
袂
(
たもと
)
に
程近
(
ほどちか
)
い
薬種問屋
(
やくしゅどんや
)
「
小西
(
こにし
)
」の
娘
(
むすめ
)
と
生
(
う
)
まれて、
何
(
なに
)
ひとつ
不自由
(
ふじゆう
)
も
知
(
し
)
らず
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
◆第三参考 松村マツ子女史(福岡市外
水茶屋
(
みずぢゃや
)
、
翠糸女塾
(
すいしじょじゅく
)
主)談
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“水茶屋”の解説
水茶屋(みずぢゃや、みずちゃや)は、江戸時代、道ばたや社寺の境内で、湯茶などを供して休息させた茶屋である。「掛茶屋」ともいう。
(出典:Wikipedia)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
茶
常用漢字
小2
部首:⾋
9画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“水茶屋”で始まる語句
水茶屋女
水茶屋娘