氣輕きがる)” の例文
新字:気軽
母親はゝおやは五十ばかり、黒地くろぢのコートに目立めだたない襟卷えりまきして、質素じみ服姿みなりだけれど、ゆつたりとしてしか氣輕きがるさうな風采とりなり
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「やあ昨夜さくやは。いま御歸おかへりですか」と氣輕きがるこゑけられたので、宗助そうすけ愛想あいそなくとほぎるわけにもかなくなつて、一寸ちよつと歩調ほてうゆるめながら、帽子ばうしつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かう言つた曖昧あいまい茶屋などは、確とした請人も證文もなく、氣輕きがる安値やすねに人身賣買が行はれたのでせう。
小利口こりこうにきび/\と立𢌞たちまはつて、あさまへからきて、氣輕きがる身輕みがる足輕あしがる相應さうおう、くる/\とよくはたらうへはや江戸えどみづみて、早速さつそく情婦いろひとつと了簡れうけんから
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何となく氣輕きがるな好感の持てる娘です。
母樣おつかさんが、ひざはじいて、ずらりと、ずらすやうにまたいでりると、氣輕きがるにてく/\と土間どまた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小利口こりこうにきび/\と立𢌞たちまはる、あさまへからきて、氣輕きがる身輕みがる足輕あしがる相應さうおう、くる/\とよくはたらうへはや江戸えどみづみて早速さつそく情婦いろひとつと了簡れうけんから、たか鼻柱はなばしらから手足てあしつめまで
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おいた。」と氣輕きがるしやがむ、をとこかたへ、づかとると、たちまおこつた。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)