氣絶きぜつ)” の例文
新字:気絶
かれくるしさにむねあたりむしり、病院服びやうゐんふくも、シヤツも、ぴり/\と引裂ひきさくのでつたが、やが其儘そのまゝ氣絶きぜつして寐臺ねだいうへたふれてしまつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
氣絶きぜつするほど甲板かんぱんうへ投倒なげたふされて、折角せつかくたかまつたわたくしはな無殘むざん拗折へしをられてしまつた。
翌月あくるつき二度目にどめときに、それでも氣絶きぜつはしませんでございました。そして、仙人せんにんちましたのははりではありません、きんくだで、みやくして、くだから生血いきちはれるつてことおぼえたのです。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
口へ吹込顏に水をそゝぎなどしければ漸々にして我にかへりホツといきつき乍ら今日こそは伊賀亮を閉口させんと思ひしにかれが器量のすぐれしに却つて予が閉口したれば餘り殘念さに氣絶きぜつしたりと切齒を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
マーキュ おい、ベンヺーリオー、何處どこうちなかれてってくれ、はやうせぬと氣絶きぜつしさうぢゃ。畜生ちくしゃう兩方りょうはう奴等やつら! とう/\おれ蛆蟲うじむし餌食ゑじきにしてしまひをった。まゐった、しっかりまゐった。
收穫時とりいれどきのある日に氣絶きぜつしたるをんなともいふべし。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)