横寺町よこでらまち)” の例文
憶起おもひおこす。……先生せんせいは、讀賣新聞よみうりしんぶんに、寒牡丹かんぼたん執筆中しつぴつちうであつた。横寺町よこでらまちうめやなぎのおたくから三町さんちやうばかりへだたつたらう。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ときに、長野泊ながのどまりの翌日よくじつ上野うへのへついて、つれとは本郷ほんがうわかれて、わたし牛込うしごめ先生せんせい玄關げんくわんかへつた。其年そのとしちゝをなくしために、多日しばらく横寺町よこでらまち玄關げんくわんはなれてたのであつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さきに秋冷しうれい相催あひもよほし、次第しだい朝夕あさゆふさむさとり、やがてくれちかづくと、横寺町よこでらまち二階にかいあたつて、座敷ざしきあかるい、大火鉢おほひばちあたゝかい、鐵瓶てつびんたぎつたとき見計みはからつて、お弟子でしたちが順々じゆん/\
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ときに、川鐵かはてつむかうあたりに、(水何みづなに)とかつた天麩羅屋てんぷらやがあつた。くどいやうだが、一人前いちにんまへ、なみで五錢ごせん。……横寺町よこでらまちで、おぢやうさんのはつのお節句せつくときわたしたちはこれ御馳走ごちそうつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さて其夜そのよこゝへるのにもとほつたが、矢來やらい郵便局いうびんきよくまへで、ひとりでしたおぼえがある。もつと當時たうじあをくなつておびえたので、おびえたのが、可笑をかしい。まだ横寺町よこでらまち玄關げんくわんときである。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)