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むかしばなし
ふりがな文庫
“
昔噺
(
むかしばなし
)” の例文
同時に
昔噺
(
むかしばなし
)
の絵葉書を発行、当時まだ絵ハガキの少い時代で極彩色の恐ろしく贅沢なもの、これもハガキ趣味のさきがけ。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
その名前だけは
昔噺
(
むかしばなし
)
のうちに聞いているが、しかし、徹底した怠け者が神に祭られているとは、ここへ来てはじめて聞く。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
昔噺
(
むかしばなし
)
で行くと、どん粟と蜂と臼ぢやないか、——念入りに
企
(
たく
)
らんだな。畜生、人を
甞
(
な
)
めた野郎だ。行つて見よう、八」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これ実に
破天荒
(
はてんこう
)
の卓識といわざるを得ず。
然
(
しか
)
れども彼の卓識も、桃太郎鬼が島
征伐
(
せいばつ
)
の
昔噺
(
むかしばなし
)
の如く、
何人
(
なんぴと
)
も
真面目
(
まじめ
)
にこれを聞くものなきぞ遺憾なる。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
あの
昔噺
(
むかしばなし
)
が
事実
(
じじつ
)
そのままでないことは
申
(
もう
)
すまでもなけれど、さりとて
全
(
まった
)
く
跡方
(
あとかた
)
もないというのではありませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
だから、私がこれから一つの
昔噺
(
むかしばなし
)
をつけ加えても、現代に通じていないことはない。農村は昔のままだ。それは土が昔のままで、その土を所有しているからである。
土の中からの話
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
低い砂丘のその松原は予想外に
閑寂
(
かんじゃく
)
であった。松ヶ根の
萩
(
はぎ
)
むら、
孟宗
(
もうそう
)
の影の映った
萱家
(
かやや
)
の黄いろい荒壁、
機
(
はた
)
の音、いかにも
昔噺
(
むかしばなし
)
の中の
鄙
(
ひな
)
びた村の日ざかりであった。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
子供
(
こども
)
たちは、この
昔噺
(
むかしばなし
)
を、おじいさんや、おばあさんから
聞
(
き
)
いたことがなかったでしょうか?
子供
(
こども
)
たちが
遊
(
あそ
)
ぶ、
砂山
(
すなやま
)
の
下
(
した
)
には、
波
(
なみ
)
が、
岩
(
いわ
)
に
打
(
う
)
ち
寄
(
よ
)
せて
砕
(
くだ
)
けています。
はまねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この分にては小生が
小供
(
こども
)
の時きき候と同じ
昔噺
(
むかしばなし
)
を貞坊が聞き候ことも遠かるまじと思われ候、これを思えば悲しいともうれしいとも申しようなき感これありこれ必ず悲喜両方と存じ候
初孫
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
第一私の目的が、数千年前に生きていた沙漠の住民の
羅布
(
ロブ
)
人が国家の滅びるその際に隠匿したという大財宝を、発見しようというのですから既に立派な
昔噺
(
むかしばなし
)
式で伝説的でもあるのです。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この
残虐
(
ざんぎゃく
)
の歴史は、やがて、家族の
夜伽
(
よとぎ
)
を通じ、
昔噺
(
むかしばなし
)
さながらの興をそえることになるのだが、ルピック夫人が、ここでその説明をしている間、にんじんは眠り、そして夢を見ているのだ——
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
祖父から子供のをり冬の炉辺のつれ/″\に聞かされた
妖怪変化
(
えうくわいへんげ
)
に富んだ数々の
昔噺
(
むかしばなし
)
を、一寸法師の
桶屋
(
をけや
)
が
槌
(
つち
)
で
馬盥
(
ばだらひ
)
の
箍
(
わ
)
を
叩
(
たゝ
)
いてゐると箍が切れ
跳
(
は
)
ね飛ばされて天に上り雷さまの太鼓叩きに雇はれ
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
一とくさり
昔噺
(
むかしばなし
)
をさせて貰ふことにする。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
取り食ふなどは
昔噺
(
むかしばなし
)
の草双紙などには有る事にて、三歳の小児も今の世には信ぜざることなり、其鬼は青鬼か赤鬼か、
犢鼻褌
(
ふんどし
)
は古きや新しきやなど嘲り戯れつつ……
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
人の家に行きたる家が己が家なり。故にその家の先祖は己が先祖なり。ゆるがせにする事なかれ。また先祖の行状功績等をも
委
(
くわ
)
しく心得置き、子供らへ
昔噺
(
むかしばなし
)
の如く
噺
(
はな
)
し聞かすべし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
真先
(
まっさ
)
きに
私
(
わたくし
)
がお
訊
(
たず
)
ねしたのは
浦島太郎
(
うらしまたろう
)
の
昔噺
(
むかしばなし
)
のことでございました。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ストコフスキーのアメリカにおける人気の盛んなことは、たまたま以て『オーケストラの少女』が示す通りで、この人の指揮棒は、ほとんど
昔噺
(
むかしばなし
)
のフェアリーの魔法の棒のように思われている。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
この
海岸
(
かいがん
)
の
村
(
むら
)
に、つぎのような、
昔噺
(
むかしばなし
)
が
伝
(
つた
)
わっていたためです。
はまねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
昔噺
(
むかしばなし
)
の主人公と違って、柿の実や、握飯の一つや二つで買収される男ではないにきまっているが、つまりお雪ちゃんは、この機会に於て、このあたり静かな、そうして
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
昔
常用漢字
小3
部首:⽇
8画
噺
漢検準1級
部首:⼝
16画
“昔”で始まる語句
昔
昔日
昔時
昔気質
昔馴染
昔語
昔話
昔者
昔風
昔年