“むかしばなし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
昔噺42.1%
昔話34.2%
昔譚7.9%
昔咄5.3%
古話2.6%
昔日譚2.6%
昔談2.6%
追憶談2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その名前だけは昔噺むかしばなしのうちに聞いているが、しかし、徹底した怠け者が神に祭られているとは、ここへ来てはじめて聞く。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『つい昔話むかしばなし面白おもしろさに申遲まうしおくれたが、じつ早急さつきふなのですよ、今夜こんや十一はん滊船きせん日本くにかへ一方いつぱうなんです。』
その後故あって廃業して仕舞い一場いちじょう昔譚むかしばなしを今日に残したその妻も今はく亡き人の数に入った。
楽屋落ちの昔咄むかしばなしを一つ。
人造物語 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いづれのくににも古話むかしばなしといふものありて、なかなかに近きころの小説家などの作り設くとも及びがたきおもしろみあるものなり。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
先生の気焔きえん益々ますますたかまって、例の昔日譚むかしばなしが出て、今の侯伯子男を片端かたっぱしから罵倒ばとうし初めたが、村長は折を見て辞し去った。校長は先生が喋舌しゃべくたぶれい倒れるまで辛棒して気燄きえんの的となっていた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
自分はかう信じたからこそ、此市こゝの名物の長澤屋の豆銀糖でお茶を飮み乍ら、稚ない時から好きであつた伯母さんと昔談むかしばなしをする樂みをさへ擲ち去つて、あかからぬ五分心の洋燈ランプの前に
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
夏になれば氷屋の店も張られた。——それもこれも今はわづかに、老人達としよりたち追憶談むかしばなしに残つて、村は年毎に、宛然さながら藁火の消えてゆく様に衰へた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)