方針ほうしん)” の例文
ところが江戸時代えどじだいになると、徳川氏とくがはし政治せいじ方針ほうしんがさうであり、またなかをさまつてたゝめか、學問がくもんさかんになつてました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
二三の事例じれいを見ると、随分親は子供のことを考えるものらしい。将来の方針ほうしんのことから、嫁さんや住宅や財産ざいさんのことまでも考えるもののようだ。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
そののちに、琵琶湖びわこの上で乗り落ちたまま行方ゆくえをうしなったクロをさがす方針ほうしんもかんがえ、また、一とうの人々にも、ひさしぶりでいたいと願った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しかし衆議しゅうぎがまちまちになってきまらないばあいに、それを裁決さいけつする人がなければ、連盟の方針ほうしんが立たない」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
為にはやく人家ある所にいづるの方針ほうしんらざるべからざるを以て、く議論の沸騰ふつたうしたるなり。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
廉直れんちょくなる方針ほうしん地方ちほう新聞紙しんぶんし芝居しばい学校がっこう公会演説こうかいえんぜつ教育きょういくある人間にんげん団結だんけつ、これらはみな必要ひつようからざるものである。また社会しゃかいみずかさとっておどろくようにしなければならぬとかなどとのことで。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「ごもっともな意見いけんです。その方針ほうしんで、かならず逮捕たいほしてみせます」
「正三、一生の方針ほうしんに関係することだよ。もっとよく考えて見ろ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
というと、卜斎ぼくさいは、なにか自分の前途ぜんとについて、だいじな方針ほうしんをかんがえかけてきたとみえ、げたる竹童ちくどうのことはともかく、どっかりと、庭石へこしをおろしてうでぐみをしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眼下がんか茫々ばう/\たる大湖ありと、衆忽ち拍手はくしゆして帰途の方針ほうしんさだむるを得たるをよろこび、帰郷のちかきをしゆくす、すでに中して腹中ふくちうしきりに飢をうつたふ、されども一てきの水を得る能はず、いわんや飯をかしくにおいてをや
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)