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散々
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さんざ
ふりがな文庫
“
散々
(
さんざ
)” の例文
「それから順吉もつれて来て頂戴よ。あの子には
散々
(
さんざ
)
苦労をさせて来たから、一日ゆっくり遊ばしてやりましょうよ」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
手を
拍
(
う
)
って、
喝采
(
かっさい
)
して、おもしろがって、おかしがって、
散々
(
さんざ
)
慰
(
なぐさ
)
んで、そら菓子をやるワ、
蜜柑
(
みかん
)
を投げろ、
餅
(
もち
)
をたべさすわって、
皆
(
みんな
)
でどっさり猿に
御馳走
(
ごちそう
)
をして
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
聞いたよ。首無事件や五人殺しで警察が去年から
散々
(
さんざ
)
味噌を付けてるもんだから、今度の事はそれ程でも無いのを態と
彼樣
(
あんな
)
に新聞で吹聽させたんだつて噂も有るぜ。
所謂今度の事:林中の鳥
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
妾
(
あたし
)
の嫌いななア持って廻って、厭がらせの
散々
(
さんざ
)
ッ
腹
(
ぱら
)
、出て行けがしにあつかわれることさ」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
平生
(
へいぜい
)
尤も親しらしい
面
(
かお
)
をして親友とか何とか云っている人達でも、斯うなると寄って
集
(
たか
)
って、
手
(
て
)
ン
手
(
で
)
ンに
腹
(
はら
)
散々
(
さんざ
)
私の欠点を算え立てて、それで君は斯うなったんだ、自業自得だ
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
それからいよいよ談判が始まって
散々
(
さんざ
)
価切
(
ねぎ
)
った末おやじが、買っても好いが品はたしかだろうなと聞くと、ええ前の奴は始終見ているから間違はありませんがね
後
(
うし
)
ろに
担
(
かつ
)
いでる方は
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今夜も
懶
(
なま
)
けものの癖として品川へ
素見
(
ひやかし
)
にまいり、元より恵比寿講をいたす気で
某
(
ある
)
楼
(
うち
)
へ
登
(
あが
)
りましたは宵の口、
散々
(
さんざ
)
ッ
腹
(
ぱら
)
遊んでグッスリ遣るとあの火事騒ぎ、
宿中
(
しゅくじゅう
)
は
鼎
(
かなえ
)
の
沸
(
わ
)
くような塩梅しき
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
初ちやんの時にも
散々
(
さんざ
)
つぱら見せつけられてゐる上にさ——。
疵だらけのお秋
(新字旧仮名)
/
三好十郎
(著)
昨日
(
きのふ
)
は一日、芝で古道具屋をしてゐる叔母の處へ行つて、
散々
(
さんざ
)
ツぱら姉の
棚卸
(
たなおろ
)
しや、自分の
自惚
(
のろけ
)
やら愚痴やら並べて、其晩
寄席
(
よせ
)
へ連出したことも確である。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それから
畚
(
びく
)
に入れてある、あのしめじ
蕈
(
たけ
)
が釣った、
沙魚
(
はぜ
)
をぶちまけて、
散々
(
さんざ
)
悪巫山戯
(
わるふざけ
)
をした挙句が、橋の
詰
(
つめ
)
の浮世床のおじさんに
掴
(
つか
)
まって、額の毛を
真四角
(
まっしかく
)
に
鋏
(
はさ
)
まれた
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「芸者を引張込むようじゃ、長続きはしないね。
散々
(
さんざ
)
好きなことをして、店を仕舞うがいいや」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「何だってそう僕をいじめるんだ。あの時だって
散々
(
さんざ
)
酷いめにあわせたじゃないか。乱暴なものを食べさせるんだもの、綿の
餡
(
あん
)
なんか食べさせられたのだから、それで煩うんだ。」
誓之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其時
(
そのとき
)
はこの
時雨榎
(
しぐれえのき
)
の
枝
(
えだ
)
の
両股
(
ふたまた
)
になつてる
処
(
ところ
)
に、
仰向
(
あをむけ
)
に
寝転
(
ねころ
)
んで
居
(
ゐ
)
て、
烏
(
からす
)
の
脛
(
あし
)
を
捕
(
つかま
)
へた、それから
畚
(
ふご
)
に
入
(
い
)
れてある、あのしめぢ
蕈
(
たけ
)
が
釣
(
つ
)
つた、
沙魚
(
はぜ
)
をぶちまけて、
散々
(
さんざ
)
悪巫山戯
(
わるふざけ
)
をした
揚句
(
あげく
)
が
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『チヨツ
莫迦
(
ばか
)
にしてるよ。松公はもと/\
此方
(
こつち
)
の弟子ぢやないか。其をお前が引張込んで、
散々
(
さんざ
)
ツぱら
巫山戯
(
ふざけ
)
た
眞似
(
まね
)
をして置いて……』と
未
(
ま
)
だ何か毒づかうとしたが、急に
周圍
(
あたり
)
に氣がつくと
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
喝采
(
かつさい
)
して、おもしろがつて、をかしがつて、
散々
(
さんざ
)
慰
(
なぐさ
)
むで、そら
菓子
(
くわし
)
をやるワ、
蜜柑
(
みかん
)
を
投
(
な
)
げろ、
餅
(
もち
)
をたべさすワツて、
皆
(
みんな
)
でどつさり
猿
(
さる
)
に
御馳走
(
ごちさう
)
をして、
暗
(
くら
)
くなるとどや/\いつちまつたんだ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
散
常用漢字
小4
部首:⽁
12画
々
3画
“散々”で始まる語句
散々原
散々腹
散々手古摺