“さんざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
散々55.0%
山三15.0%
散三15.0%
三座5.0%
参座5.0%
芝居小屋5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手をって、喝采かっさいして、おもしろがって、おかしがって、散々さんざなぐさんで、そら菓子をやるワ、蜜柑みかんを投げろ、もちをたべさすわって、みんなでどっさり猿に御馳走ごちそうをして
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ええ、大すきよ。絵双紙でみた名古屋山三さんざそっくりなんだもの——」
松隈内閣だか隈板内閣だかの組閣にあたって沼南が入閣するという風説が立った時、毎日新聞社にかつて在籍して猫の目のようにクルクル変る沼南の朝令暮改に散三さんざぱら苦しまされた或る男はいわ
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
天明五年鳥居清満歿するや清長は鳥居派四世をつぎその年の顔見世より寛政十年に至るまで、毎年三座さんざ劇場の番付看板を描きぬ。こは似顔の錦絵と異りて鳥居派古来の筆法を用ひたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
平松は藩の名門で、旧禄きゅうろくは九百石あまり、家格は老職に属していた。再興された家禄はその半分の四百五十石、家格は参座さんざといって老職に次ぎ、老職に空席ができればそこへ直る位置にあった。
その木戸を通って (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
以前もと葺屋ふきや町、堺町の芝居小屋さんざへの近道なので、その時分からこの辺も、そんな柔らかい空気の濃厚な場所だったかもしれない。