山三さんざ)” の例文
鳥居の前の老木おいきの櫻に今年はまた枯枝が多くなつたのを見た時、京子もお時も、名古屋山三さんざの引き出した女の生首のことを思ひ出した。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「ええ、大すきよ。絵双紙でみた名古屋山三さんざそっくりなんだもの——」
「名古屋山三さんざさまの御着到!」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
大阪へ戻つて、二三日道頓堀の宿屋に泊つてゐる中に、芝居見物をしたが、狂言は不破ふは伴左衞門、名古屋山三さんざ鞘當さやあてであつた。花盛りの太い櫻の幹を山三が刀で切り開くと、女の生首なまくびが現はれた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)