“ちりぢり”の漢字の書き方と例文
語句割合
散々100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乱箱みだればこたたんであった着物を無造作に引摺出ひきずりだして、上着だけ引剥ひっぱいで着込きこんだ証拠しょうこに、襦袢じゅばんも羽織もとこすべって、坐蒲団すわりぶとんわきまで散々ちりぢりのしだらなさ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それはほんの寸刻前いましがたのことで、今はもうこの店の間には、捕り方も湯治客もいなかった。捕り方は奥へ走り込み、湯治客たちは散々ちりぢりに逃げたからであった。
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
総隊は、さて列を解き散々ちりぢりとなって所定の位置に着くと、第一の牛が放される。牛は暗闇から急にめくらむような明るい砂地に引き出されてはなはだ当惑のてい