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憚
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はゞかり
ふりがな文庫
“
憚
(
はゞかり
)” の例文
その名を
斥
(
さ
)
さんは
憚
(
はゞかり
)
あれど、同郷人の中に事を好む人ありて、余が
屡〻
(
しば/\
)
芝居に出入して、女優と交るといふことを、官長の
許
(
もと
)
に報じつ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
己
(
うぬ
)
が勝手に尊皇愛国を狭く解釈して濫りに不敬呼ばはりするは恐れ多くも皇室の
稜威
(
みいつ
)
を減ずる
憚
(
はゞかり
)
ある次第だ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
憚
(
はゞかり
)
あることには侍れど、おん身にも總て過失なしとはいひ難くや侍らん。
例之
(
たとへ
)
ばおん身は、いかなれば一時怒に任せて、彼美しき詩を
焚
(
や
)
き給ひし。われ。そは世に殘すべき價なければなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
積薪
(
せきしん
)
思
(
おも
)
はず
悚然
(
ぞつ
)
として、
直
(
たゞ
)
ちに
衣冠
(
いくわん
)
を
繕
(
つくろ
)
ひ、
若
(
わか
)
き
婦
(
よめ
)
は
憚
(
はゞかり
)
あり、
先
(
ま
)
ず
姑
(
しうと
)
の
閨
(
ねや
)
にゆき、もし/\と
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けて、さて、
一石
(
いつせき
)
願
(
ねが
)
ひませう、と
即
(
すなは
)
ち
嗜
(
たしな
)
む
處
(
ところ
)
の
嚢
(
ふくろ
)
より
局盤
(
きよくばん
)
の
圖
(
づ
)
を
出
(
いだ
)
し、
黒白
(
こくびやく
)
の
碁子
(
きし
)
を
以
(
もつ
)
て
姑
(
しうと
)
と
戰
(
たゝか
)
ふ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一日
(
いちにち
)
延
(
の
)
びれば
延
(
の
)
びた
丈
(
だけ
)
窮屈
(
きゆうくつ
)
が
逃
(
に
)
げた
樣
(
やう
)
な
氣
(
き
)
が
何所
(
どこ
)
かでした。
小六
(
ころく
)
にも
丁度
(
ちやうど
)
それと
同
(
おな
)
じ
憚
(
はゞかり
)
があつたので、
居
(
ゐ
)
られる
限
(
かぎり
)
は
下宿
(
げしゆく
)
にゐる
方
(
はう
)
が
便利
(
べんり
)
だと
胸
(
むね
)
を
極
(
き
)
めたものか、つい
一日
(
いちにち
)
/\と
引越
(
ひつこし
)
を
前
(
さき
)
へ
送
(
おく
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
お定め成れたなら
憚
(
はゞかり
)
ながら
宜敷
(
よろしく
)
御座りませうと云に重四郎
然
(
され
)
ばで御座る
世間
(
せけん
)
を渡り
歩行
(
あるく
)
も
倦果
(
あきはて
)
たれども差當り未だ
有縁
(
うえん
)
の地もないと見えて
斯
(
かく
)
歩行
(
あるき
)
ます
何卒
(
どうぞ
)
五十か七十の
敷金
(
しききん
)
でも致して
何樣
(
どのやう
)
な所でも身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
所が親戚のものは
憚
(
はゞかり
)
があつて葬式をいたすことが出來ませんでした。其時眞志屋の先祖が
御用達
(
ごようたし
)
をいたしてゐますので、内々お許を
戴
(
いたゞ
)
いて
死骸
(
しがい
)
を引き取りました。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
憚
漢検1級
部首:⼼
15画
“憚”を含む語句
忌憚
乍憚
人憚
誰憚
憚様
不憚
口憚
御忌憚
憚樣
畏憚
行憚
過而勿憚改