愛情あいじょう)” の例文
けれどほんとうに正直なことを言えば、わたしがいちばん深く感じたのは、この夫人ふじんと子どもの、めずらしい親切と愛情あいじょうであった。
愛情あいじょうともなわぬつめたい夫婦ふうふ間柄あいだがら……他人ひとさまのことはぞんじませぬが、わたくしにとりて、それは、にもあさましい、つまらないものでございました……。
としちゃんは、これをて、母犬ははいぬ子供こどもたいするやさしい愛情あいじょうは、人間にんげんのおかあさんが、子供こどもたいするのと、すこしもわりのないのに、ひどく感心かんしんしました。
母犬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから、鳥やケモノの生活、そうしてそれらのあいだの友情や愛情あいじょうをも教えてくれます。
自分が追放中に生れたということにも多少の感慨かんがいはあったにもせよ、むしろこの世に生をうけた小さな生命に対する愛情あいじょうせつなさだけが止みがたきものに変っているのである。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
そして小父おじのゴットフリートにたいして、しみじみと愛情あいじょうおぼえた。もう今は、すべての人のうちで、ゴットフリートがいちばんよく、いちばんかしこく、いちばん立派りっぱに思われた。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
ひとりの夫は、いばりやで、みえばかりかざって、ほんとうの愛情あいじょうを知らない男でした。もうひとりのほうは、わるくちやで、他人のあらばかりみつけて、よろこんでいるような男でした。
勇深ゆうしんなる者は温柔おんじゅうなる者、愛情あいじょう深き者は大胆だいたんなる者なり)
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
四日つづけてかの女は来た。そのたんびにだんだん優しくも、愛情あいじょうぶかくもなっていったが、やはりいくらかひかえ目にするところがあった。
すべて人間にんげんというものはんだからとって、べつにこの夫婦ふうふ愛情あいじょうなんかわりがあるものではございませぬ。
「おたがいに、愛情あいじょうがあり、しんせつだったから、万物ばんぶつちょうといわれたが、いまは、残忍ざんにんなこと、ほかの動物どうぶつでないから、かえって、悪魔あくまちかいといえるだろう。」と、S少年エスしょうねんがいいました。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
でもあのときはあの人もわたしに対してべつに愛情あいじょうもなかったし、たぶんお金のためにいやいやそれをしたのかしれなかった。
陰陽いんようむすびは宇宙うちゅう万有ばんゆうってもれぬとうと御法則みのり、いかにたか神々かみがみとてもこの約束やくそくからはまぬがれない。ただその愛情あいじょうはどこまでもきよめられてかねばならぬ。
先生せんせいこえは、やわらいで、には、愛情あいじょうがこもっていました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
それはりっぱなきぬ産着うぶぎ想像そうぞうしたところと、目の前の事実とはこのとおりちがっていた。でもそれがなんだ。愛情あいじょうとみよりもはるかにたっとい。
それほどにわたしは愛情あいじょうもとめていた。けれどもわたしにはそれをする勇気ゆうきがなかった。親方はそういうふうになれなれしくすることをゆるさない人であった。