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しんぞう
『
此畜類、まだ
往生しないか。』と、
手頃の
鎗を
捻つて
其心臟を
貫くと、
流石の
猛獸も
堪らない、
雷の
如く
唸つて、
背部へドツと
倒れた。
第一に、
青々した、
木の
葉といふものは、
植物にとつては
一番大切で、ちょうどわれ/\の
心臟や
胃や
膓のような、
生活上の
必要な
器官です。
何より、
嫌な、
可恐い
雷が
鳴つたのです。たゞさへ
破れようとする
心臟に、
動悸は、
破障子の
煽るやうで、
震へる
手に
飮む
水の、
水より
前に
無數の
蚊が、
目、
口、
鼻へ
飛込んだのであります。