心易こゝろやす)” の例文
とすると、先祖せんぞへはともかく、友達ともだちかほにかゝはる……とたん廊下らうかつてくと、女中ぢよちう案内あんないされたのは、これまた心易こゝろやすい。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
賤「なんだえ、お前さんは心易こゝろやすいか知りませんが、私は存じません、何様どんな事が有っても出来ませんよ、帰ってお呉んなさい」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
嘉吉は心易こゝろやすげに此の爺さんと話した。それから一番深い地下室へ降りて行つた。燃えさしの蝋燭に灯をつけた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
五穀豊熟ごこくほうじゆくしてとしみつぎ心易こゝろやすさゝげ、諸民しよみん鼓腹はらつゞみの春にあひし時、氏神のまつりなどにあひしを幸に地芝居を興行こうぎやうする㕝あり。役者は皆其処の素人しろうとあるひは近村きんそんえきよりも来るなり。師匠ししやうは田舎芝居の役者やくしややとふ。
私は旦那に受出されて此処こゝへ来て、お前とは江戸に居る時分から、まア心易こゝろやすいが、私の方で彼様あんな事を云出してから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
松島まつしまから帰途かへりに、停車場ステーシヨンまでのあひだを、旅館りよくわんからやとつた車夫しやふは、昨日きのふ日暮方ひぐれがた旅館りよくわんまで、おな停車場ていしやばからおくつたをとこれて、その心易こゝろやす車上しやじやうはなした。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
五穀豊熟ごこくほうじゆくしてとしみつぎ心易こゝろやすさゝげ、諸民しよみん鼓腹はらつゞみの春にあひし時、氏神のまつりなどにあひしを幸に地芝居を興行こうぎやうする㕝あり。役者は皆其処の素人しろうとあるひは近村きんそんえきよりも来るなり。師匠ししやうは田舎芝居の役者やくしややとふ。
これも我には心易こゝろやすだての我儘と自惚うぬぼれこうじていましたから、情人おとこの為に嫌われると気のきませんで持ったもの。
こゝはおさつしをねがひます。——心易こゝろやすくは禮手紙れいてがみ、たゞ音信おとづれさへ出來できますまい。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
美代吉の所へって惣菜で安く食べてこうと云うようにお心易こゝろやすく、ちょい/\入らっしゃッて下さいまし、然うすると此方こちらでも誠に気が置けませんで宜しゅうございますから
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大分だいぶ心易こゝろやすかたである。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
源「へえ実はその……わたくし平常ふだん心易こゝろやすくいたしますから、どうかお前頼んでくれまいかと云われて、私が其の医者を同道いたしてまいりまして、当家のばゞあに頼みましたのでございます」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
藤「云いなよ/\、あゝやっておやわらかに仰しゃる事だから、云わないとけないよ、隠し立てをしちゃア彼方あっち盗賊どろぼう此方こっちも盗賊、う幾らも盗賊と心易こゝろやすくしちゃア困るから云いなよ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)