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廻
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めぐら
ふりがな文庫
“
廻
(
めぐら
)” の例文
中央のホールを囲む客席のボックスも、全面が真赤な
天鵞絨
(
びろうど
)
で張り
廻
(
めぐら
)
された、一国の首都には適当な設備の完備した豪華なものだった。
罌粟の中
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
遺言
(
ゆゐごん
)
せられしに秀忠公も亦深慮を
廻
(
めぐら
)
され京都へ御縁組遊ばし其上にて事を
計
(
はから
)
はんと姫君お福の方を
後水尾院
(
ごみづのをゐん
)
の皇后に奉つらる之を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
僕はそれを見て種々想像を
廻
(
めぐら
)
している内に、ふとある事を想出した。天来の
妙音
(
みょうおん
)
とでもいうか、実にすばらしい考えなんだよ。
黒手組
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼女は、七八歳の子供の頃、店の小僧に手伝って貰って、たもを持ってよく金魚や
鮒
(
ふな
)
をすくって楽しんだ往時を想い
廻
(
めぐら
)
した。
晩春
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
宮の
肩頭
(
かたさき
)
を
捉
(
と
)
りて貫一は
此方
(
こなた
)
に引向けんとすれば、
為
(
な
)
すままに彼は
緩
(
ゆる
)
く身を
廻
(
めぐら
)
したれど、顔のみは
可羞
(
はぢがまし
)
く
背
(
そむ
)
けてゐたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
馬場和泉守こと槍垣の門徒共を語らひ当家を傾けんとして
寄々
(
より/\
)
謀
(
はかりごと
)
を
廻
(
めぐら
)
す由、その證拠は此れを御覧あるべしとて、懐中より一通の密書を取出し給ふ。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼の女は、時々こんな山里へ来るやうになつた自分を、その短い過去を、運命を、夢のやうに思ひ
廻
(
めぐら
)
しても見た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
浮世の渡りぐるしき事など思ひ
廻
(
めぐら
)
せば思ひ廻すほど嬉しからず、時刻になりて食ふ飯の味が今更
異
(
かは
)
れるではなけれど、箸持つ手さへ
躊躇
(
たゆた
)
ひ勝にて舌が
美味
(
うま
)
うは受けとらぬに
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
と案じける時、前句に声の字
有
(
あり
)
て、音の字ならず、依て作りかへたり、須磨の鼠とまでは気を
廻
(
めぐら
)
し侍れども、一句連続せざると
宣
(
のたま
)
へり。予が云、是須磨の鼠よりはるかにまされり。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
水は方円の器に従うが如く、私はそれに応じての私の身を置くに適当な何かを以て飾り立て、ぼろぎれを張り
廻
(
めぐら
)
し、工夫を
凝
(
こら
)
して心もちよく住んで見せるだけの自信はあると思っている。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
また予想するほどの必要が
微塵
(
みじん
)
もないことですけれども、島の検分に
赴
(
おもむ
)
いた船長さんと田山さんの一行の上に、何かの異変が——というようにまでもお松は念を
廻
(
めぐら
)
してみるのであります。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
隆景の武略、諸将を圧していたのである。さて隆景等が退いた開城には、既に李如松等代って入り、京城攻略の策戦を
廻
(
めぐら
)
した。
銭世楨
(
せんせいてい
)
は自重説を称え、奇兵を出して混乱に乗ずることを主張する。
碧蹄館の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
生活に懐疑と
倦怠
(
けんたい
)
と疲労と無力さとをばかり与える日常性をのみ
撰択
(
せんたく
)
して、これこそリアリズムだと、レッテルを張り
廻
(
めぐら
)
して来たのである。
純粋小説論
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
固
(
かた
)
め種々に
思案
(
しあん
)
を
廻
(
めぐら
)
し
如何
(
いか
)
にも天一坊
怪敷
(
あやしき
)
振舞
(
ふるまひ
)
なれば是非とも再吟味せんものと思へど御重役方は取上られず此上は是非に及ばず
假令
(
たとへ
)
此身は
御咎
(
おとがめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
庄太郎は
最早
(
もは
)
や十分安心することが出来た。そして、昨日の刑事がいずれ又やって来るであろうが、彼が来た時にはああしてこうしてと、手落なく
謀
(
はかりごと
)
を
廻
(
めぐら
)
すのであった。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
各〻の陣小屋の周囲には、それ/″\
麾下
(
きか
)
の将卒の紋を染め抜いた陣幕が
廻
(
めぐら
)
してあり、小屋の入り口には制札が立てゝあり、旗、
指物
(
さしもの
)
、長柄、などが幕の蔭に置いてあった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
廻
漢検準1級
部首:⼵
9画
“廻”を含む語句
引廻
廻廊
見廻
輪廻
迂廻
掻廻
廻転
一廻
振廻
手廻
立廻
駈廻
追廻
取廻
巡廻
馬廻
役廻
大迂廻
小取廻
仕廻
...