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『晩春』
ふりがな文庫
『
晩春
(
ばんしゅん
)
』
鈴子は、ひとり、帳場に坐って、ぼんやり表通りを眺めていた。晩春の午後の温かさが、まるで湯の中にでも浸っているように体の存在意識を忘却させて魂だけが宙に浮いているように頼り無く感じさせた。その頼り無さの感じが段々強くなると鈴子の胸を気持ち悪く …
著者
岡本かの子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「明日香」1936(昭和11)年6月号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約4分(500文字/分)
朗読目安時間
約6分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
廻
(
めぐら
)
懐
(
なつか
)
瞬
(
まばた
)
丸鋸
(
まるのこ
)
何時
(
いつ
)
呑
(
の
)
呪
(
のろ
)
喘息
(
ぜんそく
)
噛
(
か
)
樺太
(
からふと
)
而
(
しか
)
見度
(
みた
)
覗
(
のぞ
)
辺鄙
(
へんぴ
)
閑
(
ひま
)
鮒
(
ふな
)