トップ
>
幾曲
>
いくまが
ふりがな文庫
“
幾曲
(
いくまが
)” の例文
偶
(
たま
)
にはくるが、もう
以前
(
いぜん
)
のやうに
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
の
邸町
(
やしきまち
)
、
土
(
ど
)
べい、
黒
(
くろ
)
べい、
幾曲
(
いくまが
)
りを
一聲
(
ひとこゑ
)
にめぐつて、
透
(
とほ
)
つて、
山王樣
(
さんわうさま
)
の
森
(
もり
)
に
響
(
ひゞ
)
くやうなのは
聞
(
き
)
かれない。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
言
(
い
)
われるままに
私
(
わたくし
)
は
小娘
(
こむすめ
)
に
導
(
みちび
)
かれて、
御殿
(
ごてん
)
の
長
(
なが
)
い
長
(
なが
)
い
廊下
(
ろうか
)
を
幾曲
(
いくまが
)
り、ずっと
奥
(
おく
)
まれる
一
(
ひ
)
と
間
(
ま
)
に
案内
(
あんない
)
されました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
湖畔亭から街道を五六町行った所に、
山路
(
やまじ
)
に向ってそれる細い
杣道
(
そまみち
)
があります。それを
幾曲
(
いくまが
)
りして半里もたどると、何川の上流であるか、深い谷に出ます。谷に沿って危げな
桟道
(
さんどう
)
が続きます。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ある所では路が全く欠けてしまって、向うの崖からこちらの
崖
(
がけ
)
へ丸太を渡したり、
桟
(
さん
)
を打った板を
懸
(
か
)
けたり、それらの丸太や板を宙で
繋
(
つな
)
ぎ合わして、崖の横腹を
幾曲
(
いくまが
)
りも
迂廻
(
うかい
)
したりしている。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
穴
(
あな
)
のやうな
眞暗
(
まつくら
)
な
場末
(
ばすゑ
)
の
裏町
(
うらまち
)
を
拔
(
ぬ
)
けて、
大川
(
おほかは
)
に
架
(
か
)
けた、
近道
(
ちかみち
)
の、ぐら/\と
搖
(
ゆ
)
れる
一錢橋
(
いちもんばし
)
と
云
(
い
)
ふのを
渡
(
わた
)
つて、
土塀
(
どべい
)
ばかりで
家
(
うち
)
の
疎
(
まばら
)
な、
畠
(
はたけ
)
も
池
(
いけ
)
も
所々
(
ところ/″\
)
、
侍町
(
さむらひまち
)
を
幾曲
(
いくまが
)
り、で
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
私達は
黴臭
(
かびくさ
)
い真暗な廊下を
幾曲
(
いくまが
)
りかしてとある広い部屋に通された。外観の荒廃している割には、内部は綺麗に手入れがしてあったけれど、それでも、どこやら廃墟といった感じをまぬがれなんだ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ぐらぐらと揺れる
一銭橋
(
いちもんばし
)
と云うのを渡って、土塀ばかりで
家
(
うち
)
の
疎
(
まばら
)
な、畠も池も
所々
(
ところどころ
)
、
侍町
(
さむらいまち
)
を
幾曲
(
いくまが
)
り、で、
突当
(
つきあた
)
りの松の樹の中のその
邸
(
やしき
)
に行く、……常さんの
家
(
うち
)
を思うにも、
恰
(
あたか
)
もこの時、
二更
(
にこう
)
の鐘の
音
(
おと
)
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
曲
常用漢字
小3
部首:⽈
6画
“幾”で始まる語句
幾度
幾
幾何
幾歳
幾日
幾人
幾許
幾年
幾個
幾干