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ふりがな文庫
“
山脈
(
やまなみ
)” の例文
日光諸山を屏風の如くめぐらし、其れから燕巣、物見山、鬼怒沼山を經て黒岩山に續く
山脈
(
やまなみ
)
もあらかた黒裝束の一組である。
黒岩山を探る
(旧字旧仮名)
/
沼井鉄太郎
(著)
次の朝、
曙
(
あけぼの
)
の光がまだずっと向うの
山脈
(
やまなみ
)
を薄桃色に染めているころ、みな、一せいに起き出してドタバタ騒ぎはじめた。
キャラコさん:02 雪の山小屋
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
かりそめの旅にはあれど、夕されば内にも堪へず、
外
(
と
)
に出でてひとり在りけり。向ひ吹く川の瀬の風、川風の吹きの
凍
(
こご
)
えに、我が向ひ辿る高崖、遥か見る
北
(
きた
)
の
山脈
(
やまなみ
)
。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
逢坂
(
あふさか
)
山からずつと左に湖南の方に連なつてゐる
山脈
(
やまなみ
)
とともに段々と遠く水の彼方に薄れていつた。
湖光島影:琵琶湖めぐり
(旧字旧仮名)
/
近松秋江
(著)
北アルプスや
立山
(
たてやま
)
を踏破してきた身には、何でもありませんが、割合に奥行きが深くて、どこまでいっても
山脈
(
やまなみ
)
が尽きないのです。松や杉の木立が、
鬱蒼
(
うっそう
)
と
繁
(
しげ
)
っています。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
草茫々たる
碓井峠
(
うすいとうげ
)
、
彼方
(
あなた
)
に関所が立っていた。眼の下を見れば
山脈
(
やまなみ
)
で、故郷の追分も見え
解
(
わか
)
ぬ。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
立川で
青梅
(
おうめ
)
線に乗り換えて羽村で下りた。生えはじめたばかりの麦畑や枝の芽吹いていない桑畑が見えて、まだ雪の消えずに残っている武甲の
山脈
(
やまなみ
)
が眼に迫ってくる感じだった。
西隣塾記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
遠い
山脈
(
やまなみ
)
の
襞
(
ひだ
)
に雪を見て高啼くのか、ここの天井にまで肌さむい
谺
(
こだま
)
とならずにいなかった。それと大庭をめぐる
外曲輪
(
そとぐるわ
)
の林の外を、折々、霜のうごくような兵の刀槍がチラチラ通る。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
漸
(
ようや
)
く草原を
魚貫
(
ぎょかん
)
して、
稍
(
やや
)
平
(
たいら
)
な途へ出た時には、武甲山の裏へ廻ったので、今まで高いと思っていた連山は、
悉
(
ことごと
)
く下になり遠く
山脈
(
やまなみ
)
の彼方に浅間の
烟
(
けむり
)
を見出した時は思わず高いと叫んだ
武甲山に登る
(新字新仮名)
/
河井酔茗
(著)
碧色というから遠い山だろう、遠く遠く、
重畳
(
ちょうじょう
)
と
山脈
(
やまなみ
)
が重なっている、その山脈を
初夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私は雲を見る 私はとほい
山脈
(
やまなみ
)
を見る
優しき歌 Ⅰ・Ⅱ
(新字旧仮名)
/
立原道造
(著)
うねうねと連らなる
山脈
(
やまなみ
)
天の海
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
その
山脈
(
やまなみ
)
もれんめんと
春の来る頃
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
今こそ覺むれ、
山脈
(
やまなみ
)
の
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
右に横たふ
山脈
(
やまなみ
)
は
哀音
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
戌亥
(
いぬゐ
)
に亙る
山脈
(
やまなみ
)
の
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
一里ばかりもその山を登ると、その奥がいくらかだらだら下りになって、道は山の中腹をいく曲りもいく曲りも……右手に深い谷を隔てて、層々として深い
山脈
(
やまなみ
)
が走っています。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
とうに宿は出はずれてしまい、どっちを見ても
曠野
(
こうや
)
と
山脈
(
やまなみ
)
、森と林との世界となった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あな遠し遠き
山脈
(
やまなみ
)
、あな高し高き
山脈
(
やまなみ
)
、立ちとまり見れども消えず、目ふたぎて傷めど尽きず、
目翳
(
まか
)
げして遥けみ見れば、いや寂し薄き
陽
(
ひ
)
の虹、また見ればさらに彼方に、いや高き
連山
(
つらやま
)
の雪
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
父母と別れてから四五日は、
燈
(
ひ
)
ともし頃になると悲しそうで、独り庭へ出ていっては、涙の溜った眼でじっと遠い
山脈
(
やまなみ
)
を見ていたりした。寝床のなかで微かに
噎
(
むせ
)
び泣いている声も二三ど聞いた。
菊屋敷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
空に光つた
山脈
(
やまなみ
)
純情小曲集:02 純情小曲集
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
降っていた雨もこの時あがり、東の空の
山脈
(
やまなみ
)
の上へ、暁が水色を産み出した。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
上つ毛の
加牟良
(
かむら
)
の北に
天
(
あま
)
そそる妙義荒船、
遥
(
はろ
)
ばろと眺めに
出
(
づ
)
れば、この日暮ふりさけ見れば、いや遠し遠き
山脈
(
やまなみ
)
、いや高し高き山脈、いやが
上
(
へ
)
に空に続きて、いや寒く
襞
(
ひだ
)
を重ねて、幾重ね、幾
畳
(
たたなは
)
り
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
上つ毛の
加牟良
(
かむら
)
の北に
天
(
あま
)
そそる妙義荒船、
遥
(
はろ
)
ばろと眺めに
出
(
づ
)
れば、この日暮ふりさけ見れば、いや遠し、遠き
山脈
(
やまなみ
)
、いや高し高き
山脈
(
やまなみ
)
、いやが
上
(
へ
)
に空に続きて、いや寒く
襞
(
ひだ
)
を重ねて、幾重ね、幾
畳
(
たたなは
)
り
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
興安嶺越えつつぞ思ふこの山やまさしく大き大き
山脈
(
やまなみ
)
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
青垣山
(
あをがきやま
)
の
山脈
(
やまなみ
)
の
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“山脈”の意味
《名詞》
(サンミャク)山が帯状に連なった山岳地形。
「やまなみ」の漢字表記のひとつ。
(出典:Wiktionary)
“山脈”の解説
山脈(さんみゃく)とは、低地の間に挟まれる、細長く連続的に伸びる山地のことである。
(出典:Wikipedia)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
脈
常用漢字
小5
部首:⾁
10画
“山”で始まる語句
山
山家
山路
山羊
山茶花
山間
山中
山谷
山毛欅
山車