“戌亥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いぬい72.7%
いぬゐ27.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのころ、毎夜戌亥いぬいの空に一つの箒星ほうきぼしが現われて、最初は長さ三、四尺で光りも弱いが、夜のふけるにつれて大きくなって行く。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この崎から伊勢の港湾までは五里足らずだから、「助けたまえ、お伊勢さま」とそのほうへ向いて拝んでいるとき、急に風が戌亥いぬいにまわった。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
はうきから辰巳たつみ、鎌の鼻から未申ひつじさるくはの耳から戌亥いぬゐ、口の中の眼——と讀むんだらうな。どうだ分つたか、八」
落葉しぐれる山の際に戌亥いぬゐの方に白壁の土藏を置いたる農家の冬待ち顏に靜かに立つを見る。
伊賀、伊勢路 (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)