“いぬい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
54.0%
戌亥16.0%
西北10.0%
犬射6.0%
乾方4.0%
犬居4.0%
乾門2.0%
戍亥2.0%
衣縫2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その障子の一枚を踏み破って、のめるように縁の廊下に転び出た大兵たいひょうの士——月輪剣門にその人ありと知られたいぬい万兵衛だ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この崎から伊勢の港湾までは五里足らずだから、「助けたまえ、お伊勢さま」とそのほうへ向いて拝んでいるとき、急に風が戌亥いぬいにまわった。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
西北いぬいに亘る山浪の
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
現在はウルリーケの夫——さきには室戸丸むろとまるの船長だった八住やずみ衡吉こうきちに、以前は事務長の犬射いぬい復六またろくとなっているからだった。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しばらくは何の見分けもつきませんでしたが、やがて乾方いぬいに当つて火の手が上ります。その火が次第に西へ西へと移ると見るまに、夜もほのぼのと明けて参りました。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
遠江周智しゅうち犬居いぬい村大字堀ノ内字谷地
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
大手へ行く町通りを避けて、乾門いぬい搦手からめてへ行く草原の中の町を、夜露に裾を濡らしながら、うつつに歩いてゆく彼女だった。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その中では、誰も皆、かかとが地につかないように歩いていたが、唯一人、高安平四郎だけは、終日ひねもす、冷然と、乾門いぬいの番衆小屋に腰かけて、人の噂に口を入れなかった。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さきの日帰りのみち戍亥いぬいにとって、彼の記憶に彫っておいた山の容貌ようぼうである。そこがさかいであった。地の勢いはあちらとこちらに区分され、その分水嶺を超えたらもうこちらのものである。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
河内国府衣縫いぬいの遺蹟、越中氷見洞窟内の遺蹟において、最下層にアイヌ式の遺物のみが発見せられ、その上層に弥生式の遺物のみが発見せられたならば
遺物・遺蹟と歴史研究 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)