“乾門”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いぬいもん80.0%
いぬい20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丈八郎は、米沢城の乾門いぬいもん番士、ろくは、高々百石たらずである。夜勤よづめ交代で一日おきには、家にいない事になるらしい。
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乾門いぬいもんの外に、一隊の馬たけびをのこして、前夜、大物見に出た先から、本庄鬼六がこれへ帰って来たものだった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大手へ行く町通りを避けて、乾門いぬい搦手からめてへ行く草原の中の町を、夜露に裾を濡らしながら、うつつに歩いてゆく彼女だった。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その中では、誰も皆、かかとが地につかないように歩いていたが、唯一人、高安平四郎だけは、終日ひねもす、冷然と、乾門いぬいの番衆小屋に腰かけて、人の噂に口を入れなかった。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)