姉妹しまい)” の例文
だれでもそうであるが、わたしたち兄弟きょうだい姉妹しまいは、おおきくなってから、いつまでもおかあさんのそばにいっしょにいることができなかった。
お母さまは太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしはその週のあいだかけっぱなしにしておいたれいのハープをはずして持って来る。そうして四人の兄弟姉妹しまいにおどりをおどらせる。
姉妹しまいであれ兄弟であれ、年寄であれ若い人達であれ、例えば仲間に眼が一つしかないというような場合には、お互に辛抱するようにして
モオパッサンの短篇小説 Les Sœurs Rondoli(ロンドリ姉妹しまい)の初めに旅行の不愉快な事が書いてある。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そこには子供たちが、姉妹しまいや兄弟たちがみんな集まっているのが見えました。その中にひとりの小さい女の子がいました。
余はこしかけを離れて同行の姉妹しまいゆびさした。時計を見れば、最早二時過ぎて居る。唐崎の松を遠見でまして、三井寺を下り、埠頭はとばから石山行の小蒸汽に乗った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
けてのきばに風鈴ふうりんのおとさびしや、明日あす此音このおといかにこひしく、此軒こののきばのこと部屋へやのこと、取分とりわけては甚樣じんさまのこと、父君ちヽぎみのこと母君はヽぎみのこと、平常つねまでならぬ姉妹しまいのこと
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
晩年は姉妹しまいも、スミスソンも、スミスソンの生んだ一人息子のルイも失い、全くの孤独になって「自分は随分悩んだ。が今は死にたくない。自分は暮らせるだけの金を持っている」
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
僕はなほ念の為にこの二人を通り越しながら、ちらりと顔を物色ぶつしよくした。確かにこの二人は姉妹しまいである。のみならずどちらも同じやうにスペイドがたの髪につた二十はたち前後の美人である。
鷺と鴛鴦 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
このほんまへした『をさなきものに』と姉妹しまいのやうにしてします。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わたしは、兄弟きょうだいも、姉妹しまいもないひとりぼっちなのです。毎日まいにち、このはやしなかをさまよって、ひとりでさびしくうたっています。」と、小鳥ことりはつづけていいました。
ふるさとの林の歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
山腹の高いところに、ちょうどツバメののように、尼僧院にそういんが一つぽつんと立っています。ふたりの姉妹しまいが上のとうの中に立って、かねを鳴らしていました。
みんな兄弟でもあり、姉妹しまいでもあった。カトリーヌおばさんは決心したことはすぐ実行する性質せいしつであった。わたしたちにはあしたいよいよおわかれをすることを言いわたしてねどこへはいらせた。
この姉妹しまい二人ふたりともスケツチ・ブツクを持つて写生に行く。雨降りの日は互に相手の顔を写生するなり。父親はひんのある五十恰好がつかうの人。この人もたしなみありげに見ゆ。(八月二十二日青根温泉にて)
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そのむかし狂喜きょうきした若者たちが、ひたいにバラの花を巻いて、美しいライスの姉妹しまいたちとおどったところです。いま、そこは死んだように静まりかえっていました。
これは、一人ひとり、わしばかりかんがえることでなく、わしの兄弟きょうだい姉妹しまいが、みんなおなじようなことをおもっている……。おかあさんが太陽たいようだということは、これでもわかるでありましょう。
お母さまは太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年しょうねんは、両親りょうしんや、姉妹しまいわかれをげました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)