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奸悪
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かんあく
ふりがな文庫
“
奸悪
(
かんあく
)” の例文
旧字:
奸惡
殊
(
こと
)
に、
既成
(
きせい
)
政治家の張り
廻
(
めぐ
)
らした
奸悪
(
かんあく
)
な組織や習慣を一つ一つ
破砕
(
はさい
)
して行くことは、子路に、今まで知らなかった一種の
生甲斐
(
いきがい
)
を感じさせる。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
それから若松屋惣七の両替ならびに
仲介業
(
なかだちぎょう
)
をつぶそうとした
奸悪
(
かんあく
)
な手段にまで言及したもので、
完膚
(
かんぷ
)
なきまでに磯五をやっつけたものであった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼のような乱世の
奸悪
(
かんあく
)
を、きょうまで生かしておいたのは、信長の方に、それを利用する必要と寛容があったからである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老師と数馬の必死の気合に、さすがの鬼王丸も打たれたものか、後へヘタと退いたが、そこは
奸悪
(
かんあく
)
の猛夫である。そのままへたばりもしなかった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
理想的な迫害は、その
奸悪
(
かんあく
)
な家庭によって実現されていた。あたかも蜘蛛に仕えてる蠅のようなありさまだった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
彼等の眼底にちらちらと動く赤馬に乗った上野介の姿の中には「忠臣蔵」の
師直
(
もろなお
)
によって象徴された
奸悪
(
かんあく
)
無比な人間像はかすかな
翳
(
かげ
)
さえも残してはいないのである。
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
僕は僕の配達区域に
麻布本村町
(
あざぶほんむらちやう
)
の含まれてることを感謝するよ、僕だツて雨の夜、雪の夜、
霙
(
みぞれ
)
降る風の夜などは
疳癪
(
かんしやく
)
も起るサ、華族だの富豪だのツて
愚妄
(
ぐまう
)
奸悪
(
かんあく
)
の
輩
(
はい
)
が
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
王政一新の前日までは、鎖攘を唱えるものは忠誠とせられ、開港を唱えるものは
奸悪
(
かんあく
)
とせられた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「一ノ関は
奸悪
(
かんあく
)
の人だ、それを疑う者はないだろう」と玄察は、殆んど痛憤の口ぶりで云った
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あれを
奸悪
(
かんあく
)
だなど言うのは、奸悪の
牙
(
きば
)
を磨く機縁に恵まれぬ
輩
(
やから
)
の
所詮
(
しょせん
)
は繰り言にしか過ぎん。ではそんな詰らん老人をなぜ背負って火の中を逃げた。
孟子
(
もうし
)
は何とやらの
情
(
じょう
)
と言ったではないか。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
燕王の言に曰く、
予
(
よ
)
始め難に
遘
(
あ
)
う、
已
(
や
)
むを得ずして兵を以て
禍
(
わざわい
)
を救い、誓って
奸悪
(
かんあく
)
を除き、宗社を安んじ、
周公
(
しゅうこう
)
の勲を
庶幾
(
しょき
)
せんとす。
意
(
おも
)
わざりき少主予が心を
亮
(
まこと
)
とせず、みずから天に絶てりと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
如何なる
奸悪
(
かんあく
)
無道な所業といえども、止むを得ない事として許されておりましたのと同様に、現在の社会に於ても、金銭と、これに伴う名誉、地位のためには、法律に触れず、他人に知れない限り
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そのときになって初めて、寝起きのぼんやりした私の頭が、かれらの
奸悪
(
かんあく
)
な計略を理解した。つまり、まとめて売れば安くなるが、一尾ずつなら安い値踏みはできない、という狙いなのだ。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あれを
奸悪
(
かんあく
)
だなど言ふのは、奸悪の
牙
(
きば
)
を磨く機縁に恵まれぬ
輩
(
やから
)
の
所詮
(
しょせん
)
は繰り言にしか過ぎん。ではそんな詰らん老人をなぜ背負つて火の中を逃げた。
孟子
(
もうし
)
は何とやらの
情
(
じょう
)
と言つたではないか。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
奸悪
(
かんあく
)
なる白人共の手の伸びるのは其の時です。土地測量器を手にした者共が、諸君の村へやって来るに違いない。諸君の試錬の火が始まるのです。諸君が果して金であるか? 鉛の
屑
(
くず
)
であるか?
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
それは明らかに故意にやっているもので、被告の痴鈍を示すものではなく、実に巧妙と
狡猾
(
こうかつ
)
とを示すものであり、法廷を欺く常習性を示すものであり、被告の「根深い
奸悪
(
かんあく
)
」を現わすものである。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
入京会葬を
止
(
とど
)
むるの事、遺詔に
出
(
い
)
づと云うと
雖
(
いえど
)
も、諸王、
責
(
せめ
)
を
讒臣
(
ざんしん
)
に
托
(
たく
)
して、
而
(
しこう
)
して其の
奸悪
(
かんあく
)
を
除
(
のぞ
)
かんと云い、
香
(
こう
)
を
孝陵
(
こうりょう
)
に進めて、而して吾が誠実を致さんと云うに至っては、
蓋
(
けだ
)
し
辞柄
(
じへい
)
無きにあらず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そのときになって初めて、寝起きのぼんやりした私の頭が、かれらの
奸悪
(
かんあく
)
な計略を理解した。つまり、まとめて売れば安くなるが、一尾ずつなら安い値踏みはできない、という
狙
(
ねら
)
いなのだ。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
小森を仕止めたことで
奸悪
(
かんあく
)
の所在をはっきりさせ、全藩に侍の本分と決意のほどを示した、除村は目的を達したのだ、城下に乱を起こし、多くの人を謀反の罪に巻きこむようなことはしないはずだ
初夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
竜右衛門は心のなかで「これは
奸悪
(
かんあく
)
なるものだ」と
呟
(
つぶや
)
いた。
女は同じ物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
奸
漢検1級
部首:⼥
6画
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
“奸”で始まる語句
奸計
奸策
奸智
奸
奸物
奸賊
奸佞
奸臣
奸雄
奸譎