大洋たいやう)” の例文
其日そのひれ、翌日よくじつきたつたが矢張やはりみづそらなる大洋たいやうおもてには、一點いつてん島影しまかげもなく、滊船きせんけむりえぬのである。
小田原をだはらいて何時いつかんずるのは、自分じぶんもどうせ地上ちじやうむならば此處こゝみたいといふことである。ふるしろたかやまてんらなる大洋たいやう樹木じゆもくしげつてる。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
熟練じゆくれん漁師れふし大洋たいやうなみまかせてこべりからなはいだつぼしづめる。なはさぐつてしづめたあか土燒どやきつぼふたゝこべりきつけられるとき其處そこには凝然ぢつとしてたこあしいぼもつ内側うちがはひついてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「ガンブローてう」に突破つきやぶられたる輕氣球けいきゝゆうは、水素瓦斯すいそぐわするゝおとともに、キリヽ/\と天空てんくうくだつて、『あはや』といふに、大洋たいやう眞唯中まつたゞなか落込おちこんだのである。
((磁石は無いが方角は太陽の位置で分る))わたくし一時いちじ喫驚びつくりしたが、よくかんがへると、これはなに不思議ふしぎでない、今迄いまゝでそれと心付こゝろつかなかつたのは、縹渺へうべうたる大洋たいやうめん