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大宮人
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おおみやびと
ふりがな文庫
“
大宮人
(
おおみやびと
)” の例文
ただまえに挙げた『
増
(
ます
)
かがみ』のものがたりをあたまにおいてかまくらの初期ごろにここで当年の
大宮人
(
おおみやびと
)
たちが四季おりおりの遊宴を
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
父親
(
ちちおや
)
は
相当
(
そうとう
)
高
(
たか
)
い
地位
(
ちい
)
の
大宮人
(
おおみやびと
)
で、
名
(
な
)
は
狭間信之
(
はざまのぶゆき
)
、
母親
(
ははおや
)
の
名
(
な
)
はたしか
光代
(
みつよ
)
、そして
雛子
(
ひなこ
)
は
夫婦
(
ふうふ
)
の
仲
(
なか
)
の
一粒種
(
ひとつぶだね
)
のいとし
児
(
こ
)
だったのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
根は根からの
大宮人
(
おおみやびと
)
、任は国司という文官なのだが、いつか純粋花のようなこの童貞の人は、自身を馬上の将軍にきたえていた。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下人
(
しもびと
)
の
憧
(
あこが
)
れる、華かな
詩歌管絃
(
しいかかんげん
)
の
宴
(
うたげ
)
も、彼にとっては何でしたろう? 移ろい
易
(
やす
)
い
栄華
(
えいが
)
の世界が彼にとっては何でしたろう? 花をかざして練り歩く
大宮人
(
おおみやびと
)
の中に
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
その昔、
大宮人
(
おおみやびと
)
は、どちらにでも意味のとれる様な「
恋歌
(
こいか
)
」という
巧
(
たくみ
)
な方法によって、あからさまな拒絶の苦痛をやわらげようとしました。彼の場合はちょうどそれなのです。
日記帳
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
晩年こそ謹厳いやしくもされなかった
大御所
(
おおごしょ
)
古稀庵
(
こきあん
)
老人でさえ、ダンス熱に夢中になって、山県の
槍
(
やり
)
踊りの名さえ残した時代、上流の
俊髦
(
しゅんぼう
)
前光卿は
沐猴
(
もくこう
)
の
冠
(
かん
)
したのは違う
大宮人
(
おおみやびと
)
の
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そのためでもあるが、三人は
大宮人
(
おおみやびと
)
の習慣を持ちつづけて、なすこともなく、毎日暮していた。俊寛は、そうした生活を改め、自分で
漁
(
すなど
)
りし、自分で狩りし、自分で
耕
(
たがや
)
すことを考えた。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
遷都騒ぎがあって
大宮人
(
おおみやびと
)
がぞろぞろと北の方へ行ってしまう。
近江
(
おうみ
)
では大銅像の鋳造などがはじめられている。古き都は「道の芝草長く生い」世の中の無常を思わせるほどに荒れて行く。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
「や、蕎麦
掻
(
かき
)
を……されば匂う。来世は
雁
(
かり
)
に
生
(
うま
)
りょうとも、新蕎麦と
河豚
(
ふぐ
)
は老人、
生命
(
いのち
)
に掛けて好きでござる。そればかりは決して御辞儀申さぬぞ。林間に酒こそ暖めませぬが、
大宮人
(
おおみやびと
)
の風流。」
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
九重
(
ここのえ
)
の
大宮人
(
おおみやびと
)
もかしはもち今日はをすかも
賤
(
しず
)
の
男
(
お
)
さびて
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
花かざす
大宮人
(
おおみやびと
)
の子は慎みが深い。
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この桜
大宮人
(
おおみやびと
)
を思はする
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
春なれや——と、何は
措
(
お
)
いても、歌のひとつも
詠
(
よ
)
み
出
(
いで
)
ないことには、
大宮人
(
おおみやびと
)
といわれる知性人の恥みたいな風潮なのだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いってみれば、
百敷
(
ももしき
)
の
大宮人
(
おおみやびと
)
たちの貴族文化に張り合って、ここの人びとが身相応に誇って持つ唯一の楽園なのである。
凡下
(
ぼんげ
)
や
地下人
(
ちげびと
)
だけの花の都なのだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
京の
大宮人
(
おおみやびと
)
が歌よむ春のあけぼのは、
加茂
(
かも
)
の水、
清水
(
きよみず
)
の花あかりから、ほのぼのと明けようとしている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こんなとき、天皇も、御微笑されたり、お妃も、女官たちも、笑みこぼれて、ときならぬ百花らんまんの雲が
揺
(
ゆ
)
らぐ。
実
(
げ
)
にや、雲の上といい、
九重
(
ここのえ
)
の
大宮人
(
おおみやびと
)
というのも、誇張ではない。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
血に狂う
豼貅
(
ひきゅう
)
数万の大将として、尊氏が慎重でないわけはない。おそらくは、いまや
動顛
(
どうてん
)
狼狽の極にあろう内裏の
大宮人
(
おおみやびと
)
たちが——わけても後醍醐のご進退が——彼の胸にも想像されて
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
廟堂
(
びょうどう
)
もまた、いにしえの
大宮人
(
おおみやびと
)
の心ではありません。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
宮
常用漢字
小3
部首:⼧
10画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“大宮”で始まる語句
大宮
大宮司
大宮孝潤
大宮内
大宮口
大宮公園
大宮院
大宮宿
大宮処
大宮地